文・写真=鈴木栄一

北海道のサイズ不足を突き、オン「1」の時間帯に圧倒

1月28日、栃木ブレックスが本拠地ブレックスアリーナ宇都宮でレバンガ北海道と対戦。第3クォーターに33得点とビッグクォーターを作るなど、オフェンス爆発により95-80で快勝した。これで昨年から続く連勝を7に伸ばした栃木は、北海道を抜いて東地区5位に浮上している。

第1クォーター、ともにオン・ザ・コート「2」でスタートする中、北海道はマーク・トラソリーニ、ダニエル・ミラーの2人で計14得点をマーク。一方、栃木はジェフ・ギブス、ライアン・ロシターで先発。ギブスがファウルトラブルに陥るも、交代出場のセドリック・ボーズマンが奮闘する。

第1クォーターは北海道が20-18とリードしたが、第2クォーターに入ると栃木が前半だけで11得点を挙げた遠藤祐亮の3ポイントシュート2本など確実に加点していく。その一方で野口大介を故障で欠くことで日本人4番のサイズ不足を抱える北海道は、第1クォーターとは一変しゴール下での得点が止まり、35-42と逆転されて前半を終える。

そして第3クォーター、再びオン・ザ・コート「1」で栃木が優位に。オフェンスリバウンド6本とゴール下で主導権を握ると、さらに強度の高いディフェンスで北海道のミスを誘い、素早い攻守の切り替えから鵤誠司がこのクォーターだけで11得点と大暴れ。第3クォーター終了時点で75-52と大差をつけた栃木が、そのまま余裕を持って逃げ切った。

勝利の立役者となった鵤「エナジーを持ってできた」

結果的に栃木は、昨日の100点に続く95点とハイスコアを記録。ロシターの17得点を筆頭に、6人が9得点以上とバランスの良いオフェンスを展開するとともに、オフェンスリバウンド20本と自分たちの強みを発揮できたのが大きかった。

勝利の立役者となった鵤は、「第3クォーターの出だし、最初に出ていた5人が良い流れを作ってくれ、それに自分も乗れたことで結果が出ました」と、第3クォーターの活躍について語る。そして、難敵揃いの東地区対決で連勝できたことの要因を「エナジーを持ってバスケができたことが、まず一番にあります。北海道さんもすごくエナジーを持ってプレーしていますが、それを上回れた時間帯が多かったのが勝因でした」と締めくくった。

安齋竜三ヘッドコーチは、東地区最下位からの脱出について「やるべきことをしっかりやって積み上げていったものが結果として順位に反映された。まだまだ、後半戦始まったばっかりで、これからどういう状況になるか分からないですが、ポジティブにとらえて、チャンピオンシップへの道のりを目指してしっかりプレーしていきたい」と語る。

さらに「一人ひとりが自分の役割をしっかり分かっている。チームとしてやるべきことが明確になり、それを全員が共通し、それに向かって一つひとつ積み上げられています。ただ、もっと共有できるところはあるので、そこでステップアップできればいいと思います」と、チームの成長に手応えを感じている。

北海道は最下位転落、司令塔の多嶋「フワッと入った」

同地区ライバル相手に痛い連敗を喫した北海道は、グレゴリー・ウィッテントンの契約解除、野口の故障欠場によるサイズ不足をカバーすることができなかった。

14得点4アシストと奮闘した多嶋朝飛は、「我慢しながらの展開の中で、自分たちがディフェンス、リバウンド、ルーズボールと40分間相手を上回なければいけない中、第3クォーターの出だしでフワッと入ってしまった。これは誰が出ているとか関係なく、チームとしてすぐに修正しないといけなかったですが、できなかった。これから、こういった部分を改善しかないといけない」と反省点を語り、次週への巻き返しを誓っている。