東地区首位をキープしながら、昇格は果たせず
Bリーグは昨日、理事会で2020-21シーズンのクラブライセンス審査の結果を発表した。これにより、信州ブレイブウォリアーズと広島ドラゴンフライズのB1昇格が正式に決定した。
その一方で悔しい思いをしたのが、Bリーグ初年度以来のB1復帰を視野に入れていた仙台89ERSだ。信州と広島は40勝7敗、仙台は35勝12敗と成績に違いはあるものの、いずれも地区首位であることに変わりはない。広島は今回、B1ライセンスの交付が認められており、プレーオフを勝ち抜けばB1復帰を果たせるはずだった。
仙台の渡辺太郎代表は「このコロナの影響がなければ優勝する自信があった。悔しさがこみ上げてきた」と語る。
もともとリーグの実行委員会でリーグの中止、昇降格の方法が議論されていた時点で、「3地区制でやっているので昇格枠は3に」と主張していた。ただ同時に、B1からB2に降格した経験を持つクラブとして「経営に大きな影響があるので、それはない方が良い」との考えもあった。
「3クラブを昇格させると奇数(21チーム)になり、毎節試合をしないクラブが出てきてしまう。その編成上の不都合があったと理解しています。それに対して不満があるわけではありません。悔しいですが理解するしかない」と胸の内を語る。
「みんなで乗り越えて行こう」からの再スタート
今日の決定を受けて、渡辺代表は選手やスタッフ、職員を集めてWebミーティングを実施。B1昇格を逃したことを自ら説明したそうだ。「もちろん選手も職員も今年に懸けていたので、覚悟はしていたんですけど悔しそうな表情でした。何人かとは話をしたのですが、B1ライセンスを取ったことに感謝してくれた選手はいました」と渡辺代表は明かす。
仙台は3期連続赤字でライセンスが交付されない危機にあったものの、この6月決算は黒字の見込みが立っていた。B2では2シーズン連続で観客動員トップ、スポンサーの数も順調に増えており、経営では一定の成果が出ていた。あとはコート上で昇格を勝ち取るだけだったのだが、それは果たせないままとなった。
来シーズン昇格に再チャレンジすることになるが、新型コロナウイルスの影響は長引くことが予想され、経営的には相当厳しくなるだろう。まずは新シーズンのチーム編成が大事になるが、渡辺代表は「私たちのチームとしては今いる選手を中心に編成していきたい」との思いを明かす。それは「契約の時、選手にだけ給料カットを強いるのではなく、選手も従業員も経営サイドも、みんなで乗り越えて行こうと話しています」との考えだ。
「悔しさを受け入れて前に進もうと、選手にも職員にも話をしました」と渡辺代表が語るように、仙台はB1復帰に向けて再び歩み始める。
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