写真=丸山素行

「ノリの良いバスケ」で筑波大のインカレ4連覇を阻止

富山グラウジーズは、大東文化大の葛原大智と特別指定選手契約を締結したと発表した。

葛原は1996年2月6日生まれの22歳、187cmのガード。福岡大学附属大濠から大東文化大に進み、大学ラストイヤーの今年度にキャプテンとしてインカレ初優勝に貢献。さらには大会MVPも受賞している。大東文化大は昨年に2部で全勝優勝して入れ替え戦に勝ち、今年から1部のチーム。それでもインサイドでゴリゴリ押し込んでから個々の個人技を生かす強気のバスケット、葛原曰く「ノリの良いバスケ」を貫き、インカレ決勝で大会3連覇中の筑波大を撃破した。

筑波大3連覇の主力である杉浦佑成と青木保憲は、大濠の同級生。葛原の成長はこの2人に感化された面が大きい。「筑波の3連覇を応援席で見ているのは悔しいし、自分自身も不完全燃焼だったので、最後の年は完全燃焼したいし、上のカテゴリーを目指すことで自分を刺激したい」と語っていた。また、この2人に感化され、教員志望からプロ志望へと転向していた。

高校時代は「杉浦と青木におんぶに抱っこでした」と言うが、あきらめずに努力を続けて大学ラストイヤーで結果を出した。筑波を破ったインカレでも見せたとおり、要所でシュートを決める得点力、そしてガードながらリバウンドに飛び込むガッツ溢れるスタイルが魅力だ。

富山は昨シーズンも後半戦に小原翼を特別指定選手で獲得。日本人のパワーフォワードの層が薄かった事情はあったとはいえ、筑波大4年だった小原をいきなりスタメンに固定して、思い切りの良いプレーをさせる環境を与えてブレイクに導いている。富山は残留争いに苦しんだ昨シーズンと違い、ここまで13勝15敗とまずまずの成績を残し、余裕を持って残留を決められそうだ。ここで葛原が即戦力としてフィットすれば、さらに上を狙える期待も出てくる。