滋賀レイクスターズは年明けから成績を伸ばし、チャンピオンシップ進出にも狙える位置につけていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンは中止となり、そのチャレンジは思わぬ形で終わりを告げた。滋賀が『残留力』のチームから西地区の強豪へと変わる上で、主力として大きく貢献した佐藤卓磨に今シーズンを振り返ってもらった。
「今シーズンは絶対に成長できた」
──シーズンが中止となり、チームの活動もストップするような状況ですが、現在はどのような生活を送っていますか?
チームとしての活動は全くなくて、個人で時間をずらして体育館でトレーニングして、それ以外は外出を自粛しています。家でできることを探して過ごしています。
バスケットに関しては今シーズンの自分のプレーを見返したり、Bリーグの他の試合やNBAを見ています。あとはチームメートとゲームをして過ごしていますね。『フォートナイト』というゲームなんですけど、狩野(祐介)さんや(齋藤)拓実、シェーファー・アヴィ(幸樹)とずっとやっています。
──以前の取材で、好調の要因はチームの仲の良さにあると発言していました。
今シーズンはオフコートで本当に仲が良くて、プライベートでも頻繁にご飯に行ったりしていて、それが確実にコートに出ていたとは感じています。チーム編成の段階で相性が良かったのもあると思うんですけど、(伊藤)大司さんとか(荒尾)岳さんとか狩俣さんがチームをまとめてくれました。日本人だったら上下関係を気にする人が多いと思うんですけど、そういうのをまず最初になくして、腹を割って話せるチームを作ってくれました。
僕たちにレベルを合わせてくれるというか、降りて来てくれた感じですね。僕らもそこまで意識せずにいられました。「こんな人だったんだ!」みたいな。逆に僕らがイジるくらいになりましたね(笑)。
──シーズン序盤は苦戦が続いたと思いますが、その時期もチームの雰囲気は良かったのですね。
負けてる時もヤバイって雰囲気はなくて、今はキツいけどみんなで一枚岩になってやり続けよう、というのが僕らのスタイルでした。「自ずと結果はついてくる」って、楽しみながらやっていましたね。CB(クレイグ・ブラッキンズ)と(ジェフ)エアーズが入ってきたことでさらにチームの雰囲気も良くなって、勢いが加速していきました。
──勝ち星も大きく伸ばしましたし、シーズンが途中で終わったとはいえ良い感触を得られたようですね。
今シーズンは天皇杯も3位になりましたし、これからチャンピオンシップを狙えるところまで行きました。プロは連続で同じメンバーでやれることってほとんどないと思います。でも、今シーズンはみんなこのチームが大好きだったと思うし、同じメンバーでもう一度やりたいとみんなも思っていたはずです。
コーチを何十年間とやってきたショーン(デニス)も、これまでのトップを争うくらいの文化を作り上げたって言っていたくらいなので。シーズンが終わった時は落ち込んでいましたけど、今シーズンは絶対に成長できたと思うので、自分にできることを今から準備していきます。
「ファンのおかげで僕たちは頑張れている」と痛感
──昨シーズンはわずか4試合の出場で、ほとんどチームに貢献できませんでした。佐藤選手にとって覚悟を持って臨んだシーズンだったと思いますが、ご自身のパフォーマンスについてはどうでしょう?
拓実が起点になってどこからでも攻められるチームになりました。自分自身としては特にディフェンスで貢献できたと思っています。(高橋)耕陽と2人で走ろうと話していましたが、同じポジションなのでお互いに刺激し合ってやれました。
昨シーズンは迷惑をかけましたが、今はバスケに全力を注いでいると自信を持って言えます。気にしすぎてしまうとパフォーマンスに悪影響を与えてしまうので。信頼を取り返したいと思い、常にモチベーションは高かったです。もちろん、結果を出さないといけないという思いはあったんですけど、バスケを純粋に楽しむことができていました。
──そうした活躍が目に留まり、日本代表候補にも選ばれました。今後は代表定着が目標となりますね。
そうですね。ディフェンスでは1番から小さい4番ポジションまで守れるようになるのが目標です。オフェンスではオープンショットを決めきる。時にコーナーでステイしてスペースを作ったり、時にハンドラーになって味方を使ったり。できることを増やしていきたいです。
(フリオ)ラマスさんからはシュート力とフィジカルをもっとつけてほしいと言われました。僕もフィジカルを鍛えて、気合を入れて合宿に向かったんですけど、ワールドカップを経験している選手が多く、Bリーグの強度とは違って跳ね返されたりしました。直にマッチアップしてそれを感じられたのは大きな収穫です。
──無観客試合を経て、ファンへの思いもさらに強くなったと思います。
僕はファンの声援に影響されやすいタイプなんです。体力がキツい時にはファンの声援を聞いて力にしているので、無観客試合は相当キツく感じました。プロとしてこう言ってはダメなのかもしれませんが、エナジーはファンの人たちなので、ガソリンが全然なかった感じです。ファンの人たちのおかげで僕たちは頑張れているんだって分かったし、自分のモチベーションの大きな割合を占めてるとあらためて感じました。
──最後に、また試合観戦ができる日を待ち望むファンの方々へのメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。確実に今シーズンよりも成長した姿を見せる自信があるので、それまでしっかり鍛えて、応援してくれることを楽しみにしています。
勝ち星が増え好調だっただけに、シーズン終了は残念だったと思います。それでも佐藤選手が言うように、今シーズンの飛躍は『チームワーク』にあったようですね。佐藤選手の気迫あふれるプレーを早く見たいです!#Bリーグ #滋賀レイクスターズhttps://t.co/dIlN2PS54C pic.twitter.com/Z4Zth4OkJ9
— バスケット・カウント (@basket_count) April 18, 2020
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