文=鈴木健一郎 写真=小永吉陽子

「悔いはないですけど、決めたら勝てたゲームでした」

昨日のウインターカップ4日目、北陸学院(石川)は福岡大学附属大濠(福岡)と対戦し、インターハイ王者を苦しめたが最後に力尽き、70-76で敗れた。

大会No.1プレーヤーの呼び声も高い大倉颯太は37得点14リバウンドの活躍。それでも勝負どころの第4クォーターでフィールドゴール10本中1本成功(10%)と失速。チームを勝利に導くことはできなかった。大倉は言う。「3年生も後輩たちもベンチも、40分間しっかり戦えたと思います。実力差があったとはいえ、最後は自分のミスだと思ってますし、自分がチームを勝たせてやれなかったと強く思っています」

絶対的なエースだけに、1回戦と2回戦はプレータイムを制限して温存。大濠との3回戦に照準を合わせてきた。当たり前のように40分間フル出場。さらには2-3のゾーンディフェンスの中央を担当し、フィジカルな戦いを得意とする大濠に対して身体を張ってディフェンスもこなした。

それでいてオフェンスには絶対的な自信を持っていた。「マンツーマンであれば誰がついてもやれる自信があったので、仕掛けることを意識しました」と大倉は言う。ただし大濠は徹底した対策を取り、ゾーンディフェンスにも苦しんだ。「ゾーンになった時に自分が展開する場面が多かったので、周りから展開してもらって自分が最後に持てればなっていう感想が今はあります」と率直な反省を語った。

終盤に得点が止まったことについては疲労ではないと言う。「ちょっと頭が真っ白になったというか、考えられない場面も出てきて、それは自分の弱い部分だと思います」

「どこのチームの誰よりも、心も身体も大きくなった」

創部5年の若いチーム、部員の多くが全国優勝した中学(野々市市立布水)から一緒に上がって来た仲間だ。県外の強豪校へ進むのが当たり前の状況、彼は「石川県のバスケを強くする」という信念で、仲間とともに北陸学院を選んだ。「その選択は間違っていなかったか」という問いに、大倉はこう答えた。

「本当に苦しかったんですけど、1年生からインターハイで2回戦負けしたスタートで全国デビューして、ここまで注目されるようになったのは事実です。ここまで踏ん張ってきた過程があるので後悔はないですし、ここまでチームを強くしたのは誇りに思えます。石川県にとっても自分たちにとっても大きな財産になりました」

「どこのチームの誰よりも、心も身体もすべて大きくなった自信はあります」と言い切る言葉は、敗者のそれではない。「長いようで短かったんですけど、3年間は濃くて、波があってケガもして、たくさんいろんな分野で学ぶことができました。大学に向けての大きなステップになりました。目標であるBリーグへの大きな一歩になったと思います」

関東の強豪大学への進学が決まっている大倉。彼の高校バスケは昨日で終わったが、その挑戦は終わらない。ウインターカップ優勝という夢は果たせなかったが、ステージを変えて新たに設定する目標は、より大きなものとなるはずだ。