文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

前日の敗戦から修正、エネルギー全開で先行

京都ハンナリーズとシーホース三河の対戦。前日の第1戦では三河が81-99で勝利。インサイドで優位を作り、特にダニエル・オルトンが27得点と大暴れしていた。

これを受けての第2戦、京都は立ち上がりからエネルギー全開だった。ジョシュア・スミスの連続得点で6-0と好スタートを切ると、そこからスミスに相手の注意を引きつけ、岡田優介が3本の3ポイントシュートを決める当たりを見せる。ただし三河も、そのまま崩れることなく、桜木ジェイアールのポストプレーを軸にすぐさま反撃。第2クォーターのオフィシャルタイムアウトの時点で31-31と互角の展開となった。

それでもここから伊藤達哉の緩急を生かした攻めから9-0のランで、京都が40-33とリードして前半を折り返せば、後半立ち上がりから金丸晃輔のバスケット・カウント、比江島慎の3ポイントシュートで三河が詰め寄り、両者ともに譲らない。

それでもこの試合は京都の粘りが目立った。金丸と比江島を中心とする攻めに手を焼きながらも連続得点は許さず、点差は開かないが常にリードを保つ。そして第3クォーターの終盤に内海慎吾が3ポイントシュートを決め、さらにはリバウンドからの速攻で飛び込んだ永吉佑也が、アイザック・バッツに接触されて体勢を崩しながらの難しいシュートをねじ込み、接戦で貴重な連続得点を挙げる。

驚異の追い上げを浴びるも動じずリードを守る

第4クォーターもジュリアン・マブンガが最初の得点を挙げ、そのマブンガのパスから片岡大晴が比江島の逆を突くドライブでここでも連続得点。67-56とリードを2桁に広げ、その後もマブンガと内海の3ポイントシュートが決まって73-59と点差をこの試合最大の14点まで広げた。

ところが、このまま楽勝とは行かなかった。なにしろ相手が三河である。残り7分30秒から『比江島タイム』が発動。ドライブからのスピンムーブでスミスからファウルを誘ったプレーを皮切りに、16得点3アシストと手が付けられない暴れっぷりを見せる。

それでも京都はリードし続けた。残り2分半、自らオフェンスリバウンドを取った比江島にジャンプシュートを決められ82-80と2点差に迫られるが、ここでマブンガの完璧なキックアウトからオープンになった岡田が3ポイントシュートを決める。たまらずタイムアウトを取った三河に対し、直後のプレーで金丸にタフショットを打たせ、そして再び岡田が、今度はスミスをスクリーンに使って自らフリーを作り3ポイントシュートを沈め、88-80と突き放す。

その後もスティールした比江島がそのまま持ち上がって3ポイントシュートを決めるが、このビッグプレーの直後にオフェンスリバウンドを奪っての二次攻撃でマブンガがロング3ポイントシュートを決め返し、残り45秒というところで三河の戦意をへし折った。最終スコア91-84で京都が勝利している。

比江島にやられても、インサイドの守備は崩れず

第4クォーターはもちろん両チームともにオン・ザ・コート「2」。昨日は散々にやられたインサイドを、永吉まで含めたビッグラインナップや他の選手がヘルプする連携で守ったことで、比江島に大量得点を奪われながらも主導権を明け渡さなかった。ペイント内の得点は38-38でイーブン。前日の10点差(34-44)からの改善が大きな勝因となった。

また、リバウンドで34-26と上回り、容易にリバウンドを渡さないことで三河にファストブレイクの機会を与えなかった。三河がファストブレイクから奪った得点は、立ち上がりの比江島のスティールから橋本竜馬が走った2点だけ。目立たない数字ではあるが、京都がいかにしぶとくディフェンスしたかを表している。一方、派手な数字としては3ポイントシュート。5本決めた岡田優介を筆頭に、6選手が計13本を決め、6本成功の三河を大きく上回った。

昨シーズンは同じ西地区で8度対戦したが、京都は全敗を喫していた。地区が分かれた今シーズンは初の顔合わせとなり、昨日敗れて9連敗。京都にとっては10試合目で初の三河撃破となった。浜口炎ヘッドコーチは「チームみんなでダシツクセタ。昨シーズンから9連敗しているチームなので僕たちはチャレンジャー。選手がエネルギーをもってプレーしてくれた」と試合を振り返る。「三河から一つ勝ちきれたことは本当にうれしく、そして一つチームがステップアップできたと思います」。そう指揮官が語るとおり、ただの1勝ではない価値を持った勝利だった。