Bリーグは3月20日から4月1日にかけての試合開催を中止とし、B1のレギュラーシーズンは60試合から54試合へと短縮された。新型コロナウイルスの影響がこの先にも及ぶ可能性はあるが、4月4日以降のスケジュールは無事に消化できると仮定すれば、過密かつ変則の日程の中で地区優勝やチャンピオンシップ進出、そして残留プレーオフ回避など、チームによって目的は違えど負けられない戦いが続くことになる。今回は上位2チームの優勝争いが激化する西地区を予想する。
大阪は悲願のチャンピオンシップ進出まであと一歩
琉球 27勝14敗
大阪 26勝15敗(1ゲーム差)
滋賀 21勝20敗(5ゲーム差)
京都 20勝21敗(1ゲーム差)
名古屋D 17勝24敗(3ゲーム差)
島根 11勝30敗(6ゲーム差)
琉球ゴールデンキングスは2月になって大阪エヴェッサを追い抜いて西地区の首位に立ったが、今もゲーム差は1と安泰ではない。さらに直接対決はここまで1勝2敗と負け越している。3試合残されている直接対決では得失点差も考えた戦いが繰り広げられることになるが、得失点差では琉球が+7とリードしている点はアドバンテージとなる。
大阪は悲願のチャンピオンシップ進出が現実味を増してきた。初年度に最終節でチャンピオンシップ進出を逃して以降、年々勝ち星を減らしてきたが、今シーズンはすでに26勝とクラブの最多勝利数を更新する勢いだ。チームの主力である伊藤達哉と合田怜が揃って戦線離脱となるアクシデントに見舞われたが、それでも緊急補強した田原隆徳がフィットした。
両チームを比較すると、勢いでは大阪、安定感では琉球と言ったところか。ここ一番を勝ち切る経験では、ジャック・クーリーを中心にチームで戦う琉球が上。大阪は主力を固定する傾向が強く、アイラ・ブラウンや橋本拓哉のフル回転はもちろん、過密日程が続く最終盤にこれまでプレータイムの短かった選手の中からスターが出てきてほしいところ。両チームともベテランの天日謙作、若い藤田弘輝のチームマネジメントが大きくモノを言いそうだ。
3位の滋賀レイクスターズは年明け以降、11勝2敗と大きく勝ち星を伸ばした。無観客での2試合は連敗に終わったが、アルバルク東京を相手に健康不安から外国籍選手3名を欠く戦いでは無理もない。チャンピオンシップ進出の可能性はわずかながら残されている。西地区の上位2チーム、あるいはワイルドカードを争う千葉ジェッツかサンロッカーズ渋谷のどこかが大崩れした場合にはチャンスが出てくる。相手の動向は抜きにせよ、若い滋賀には最後まで全力で戦う経験が必要だ。
4位の京都ハンナリーズは過去3シーズンの残留プレーオフボーダーラインである20勝に到達しており、名古屋ダイヤモンドドルフィンズも苦戦が続いているが17勝を挙げているため、まずは残留プレーオフ回避を早めに確定させたいところだ。
島根スサノオマジックは年明けに三遠ネオフェニックスに連勝し最高のスタートを切ったが、鈴木裕紀ヘッドコーチが2カ月間の職務停止処分を受けた。それ以降は持ち前の粘り強い戦いぶりが影を潜め、1勝13敗と大きく負け越している。残留プレーオフ回避は難しいと言わざるを得ないが、この終盤戦で再びチームを一つにすることができれば、その先の戦いの自信になるはずだ。
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