B頂上決戦、シーホース三河が誇るタレントが個々の持ち味を発揮してA東京を破る

2017/12/03
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

勝負どころで『比江島タイム』が発動

ここまで勝率でリーグの上位2位を占めるシーホース三河とアルバルク東京の激突。昨日の第1戦では残り30秒で田中大貴に決勝シュートを決められ悔しい負けを喫したシーホース三河だが、今日の第2戦では立ち上がりから気迫に満ちたプレーを見せた。

「やろうとしたディフェンスが出だしからできた」と鈴木貴美一ヘッドコーチが試合後の会見で一番に話したように、チームディフェンスをきっちりと遂行してインサイドにボールを運ばせない。A東京は田中大貴、アレックス・カーク、そして馬場雄大の2本と、第1クォーターから4本の3ポイントシュートをすべて決めるシュートタッチの良さを見せるが、インサイドでは三河の堅守が上回り、2点シュートは13本中2本しか許さなかった。

オフェンスでは桜木ジェイアールのポストプレーがなかなか決まらないが、ポスト役をダニエル・オルトンに切り替えると得点が動き出す。そして金丸晃輔は「昨日は日本人選手が得点に絡めなかったので積極的に攻めていこう」との気持ちをスコアにつなげて11得点。第1クォーターを21-16で上回った。

第2クォーターに入るとA東京がインサイドの守備を立て直して勢いに乗るが、ここで桜木のポストプレーが冴える。背中で押し込んでからの多彩なシュートで苦しい時間帯をつなぎ、33-30とリードを守って前半を終えた。

第3クォーター、A東京の激しい守備を崩せずに得点が伸びず、3ポイントシュート攻勢を浴びて一時は逆転を許すも、金丸がタフショットを連続で決めてリードを奪い返す。そして第3クォーターの終盤にエースの比江島慎が覚醒。ドライブで相手の注意を引き付けてゴール下の桜木のイージーシュートを演出すると、小島元基の3ポイントシュートに対しすぐさま3ポイントシュートをお返し。最後も難しいレイアップをねじ込んで55-47と突き放した。

締めの部分に甘さがあったA東京

第4クォーター最初のポゼッションで、アイザック・バッツがオフェンスリバウンドを2度奪うパワフルなプレーで得点し、これで初めてリードを2桁に広げる。このまま三河が一気に押し切るかに見えたが、ここからA東京は田中、ジャワッド・ウィリアムズの連続バスケット・カウントで追い上げ、残り1分半で田中の3ポイントシュートが決まり、65-68と1ポゼッション差に迫る。

それでも残り1分15秒、比江島がゴール下に飛び込むオルトンを見逃さず矢のようなパスを送り、オルトンがバスケット・カウントの3点プレーで突き放す。さらには田中のスクリーンプレーに対し、比江島からマークを引き継いだオルトンが、スピードのミスマッチにもかかわらずプレッシャーをかけて3ポイントシュートを落とさせる。このリバウンドを橋本竜馬ががっちりつかんで攻撃に転じると、比江島がきっちり得点につなげて勝負アリ。最終スコア77-69で三河が前日の借りを返した。

敗れたルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「素晴らしいバスケットをした三河におめでとうを言いたい」と相手のパフォーマンスを称えたが、同時に「田中の3ポイントシュートで3点差になった時点で勝つチャンスはあったが、その後にしっかりとプレーを遂行できなかった」と悔やんだ。

また試合のポイントとして各クォーターの最後を締められなかったことを挙げている。第1クォーターの最後はターンオーバーから速攻を食らい、第2クォーターもミスでボールを失い金丸に得点された。第3クォーターは『比江島タイム』発動で連続得点を許している。終始ビハインドを背負いながらも我慢し、1桁点差で追いかけて三河にプレッシャーをかけ続けたが、ひっくり返せなかったのはルカコーチの言うとおり、締めの部分に甘さがあったからだろう。

「勝ちたい、という気持ちを出してくれた」

比江島は前半わずか5分のプレーで無得点。それでも第3クォーター残り1分半で初のアシストを記録すると、そこから14得点を稼ぎ出し、接戦にケリをつける『エースの働き』を披露した。鈴木ヘッドコーチは比江島の働きを狙い通りだと説明する。「比江島くんはコンディションがあまり良くなくて、今日も出だしからシュートタッチがあまり良くなかったけど、身体のキレは悪くなかった。後半勝負だと思ったので、思いきって第1クォーター途中で引っ込めた。それで後半、期待に応えてくれた」

立ち上がりから攻め続けた金丸晃輔は「楽しかった」と本人が振り返る26得点の出来。桜木ジェイアールはスタートから第3クォーター終了までプレーし続け、32分半のプレータイムで14得点15リバウンド。スタッツ以上に苦しい時間帯を桜木がつなぎ、優位を守った印象が強い。「桜木は最後にバテてしまったけど、最後はオルトンがディフェンスを締めてくれた。疲れたら代わりの選手が出たらいい。2人が『勝ちたい』という気持ちを出してくれた」と、鈴木ヘッドコーチはチームを牽引した桜木と金丸のパフォーマンスを称えた。

昨日の敗戦で連勝こそ止まったが、三河にとっては大いに収穫のあったA東京との2連戦だった。橋本竜馬は言う。「負けて得る者も多かったし、もちろん今日勝って得たものも大きかったです。特に連敗しなかったことは大きい。これでシーホースはまた大きくなったと思います」

優勝候補の激突にふさわしい熱戦、3039人が集まったウイングアリーナ刈谷の雰囲気も素晴らしかった。両チームとも試合を重ねるごとにステップアップしている。シーズンラストの『完成形』が楽しみだ。