取材=小永吉陽子 写真=野口岳彦、FIBA.com

ワールドカップ1次予選の2試合目。バスケットボール日本代表はオーストラリアを相手に第1クォーターで互角の戦いを演じ、第3クォーターにも盛り返す大健闘を見せるも、勝負どころの第4クォーターでガス欠に陥った。終盤は体力だけでなく集中力も切れてしまい、ラスト7分で無得点という失速で突き放され、最終スコア58-82と結果的には大敗となった。

日本の最後の得点を決めたのは篠山竜青。第1戦のフィリピン戦と同様に守備でハッスルし、ルーズボールに身体を張って飛び込み、戦う姿勢を見せることで劣勢が続く展開にある仲間たちを鼓舞した。ただ、14分の出場で4得点2アシスト、そして2つのターンオーバー。そして2つ目の黒星が記録としては残った。試合後、悔しさをあらわにする篠山に話を聞いた。

「コンディショニングはただの言い訳」

──試合を終えて、率直な感想を聞かせてください。

チームとしては戦える部分もありましたし、手応えをつかめるようなプレーも出せたと思います。でも、やっぱり今求められているのは結果であり、そういう意味では最後ガス欠になって離されてしまいました。フィジカルの部分でも、こんなことは20年前くらいから言われていることなので言い訳にはできないですけど、結果としては残念でした。

──レバノンでやった時と比べてオーストラリア戦の手応え、向こうが本気になっているなと感じたところはありましたか?

アジアカップでやっていたおかげで慣れであったり、気持ちの部分での準備はやれていたと思います。僕らも移動の影響で少し重い部分はありましたけど、向こうも同じ条件なので、特に第1クォーターは向こうも苦しいのかなとプレーを見ていて思いました。アジアカップを8月にやっていたおかげで僕としては前回よりも慣れていたと感じました。

──ターンオーバーのところが残念でした。どうお考えですか?

そこはやってはいけなかったですし、自分の中ではあのターンオーバー1つどうこうよりは、もっともっと試合前の段階だったり移動の時とか。あのターンオーバーが起こるにはこういう部分をあらためないといけないという部分が、試合以前の状態であったと思います。そういう部分があのターンオーバーにつながってしまったと思うので、そこはすごく悔しいです。そこは防げたので責任を感じています。

──それはコンディションなのか、気持ちの問題なのか?

コンディショニングというのはただの言い訳なので、自分の中では分かってる部分ですし、改善はできると思っているのでそこは大丈夫です。

「リストに載っている24人全員が同じ方向を向いて」

──W杯予選がホーム&アウェーになり、移動も含めて次に向けてどう準備していかないといけないと思いますか?

すべてが初めてのことだったので。合宿が始まったのが11月頭くらいからで、フィリピン戦と今日のオーストラリア戦に向けてピークを持ってくるという目標を持ってやりました。もちろん完璧には遂行できなかったし、反省点のほうが多いです。

でも2月にやる時に今日の経験が必ず生きてくると思いますし、自分の中でも反省点としてはトレーニングの回数であったり強度であったり休み頻度であったり、そういうことを具体的に数字として振り返ってみて改善したほうがいいと思うポイントは結構出てきています。2月はもっともっと良い状態でやれます。そういう意味では良い経験でした。

──結果的には2敗で『崖っぷち』です。次が勝負ですが、そこに向けては?

特にこの2試合ではフィリピンに負けてはいけなかったです。それは選手の責任であり、僕も責任を感じています。だからこそ2月に向けてもう一回、24人のところから始まりますが、もし選ばれなかったとしても残った12人に対してコンディショニングの部分などの面でアドバイスはできるし、サバイバルではありますけど、局地戦だからこそ少しでもコンディションが良い選手が行ったほうがいいと思います。

もちろん僕もそのサバイバルは勝ち抜いていきたいです。本当に今リストに載っている24人全員が同じ方向を向いて、2月に向かっていかないといけないと思います。それができれば結果はついてくる、戦える、というのはこの2試合で感じることができました。そこは気持ちを強く持ってやっていきたいと思っています。