プロ選手のための合同トレーニングキャンプが玉川大学で開催される

2016/06/22
プレーヤー
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写真=TTC 2016 supported by UPSET

「選手に良い環境を作ることがバスケ界の活力に繋がる」

6月18日と19日の週末を利用し、『TTC 2016 Supported by UPSET』が開催された(『TTC』は「Tamagawa Training Camp」の略で、玉川大学にて実施されることからのネーミング)。

メディカルコンディショニング関連事業やアスリートの競技能力向上および傷害予防を手掛ける、株式会社PHYSIOFLEXの代表取締役である井上涼上馬が主催するこのキャンプは、今年で4回目の開催。もともとトレーナーをしていた井上が、東日本大震災の時に試合や練習ができずにいた選手の現状を目の当たりにして、トレーニング環境を整えたことがきっかけであった。

あまりにも悪い状態であった選手を見かね、ボランティアのトレーナーとして接していた井上の活動が知られるようになり、同じようにトレーニングや指導を受けたいと希望する選手が次第に増えていった。「それならば」と、多くの選手を集めて一緒にやり始めたのがこのキャンプのスタートとなった。

ストレングスやコンディショニングの重要性は年々注目されているが、まだ全体的にトレーナーの数や質など整備不足であるのが現状。その中で「機会に恵まれなかった選手に良い環境を提供したい」という理念の下、シーズンオフの期間に質の高いトレーナー陣を用意し、競技寿命を延ばす、ケガ防止、パフォーマンス向上を目的として活動している。

第1回の開催地がなかなか決まらず苦労していた際、このキャンプのメイントレーナーを務める大城英稔の母校である玉川大学の協力を得ることができ、名称も『Tamagawa Training Camp』として毎年開催されることとなった。

このキャンプで特別協力を務めるのはバスケットボールやサッカー、野球、アメリカンフットボールのユニフォームなどを製造販売する株式会社アップセットだ。同社の片岡秀一も井上の理念に賛同した一人であり、運営実務、スポンサーシップ交渉なども井上と共に進めている。「過去3年間、継続して本プロジェクトに取り組んできました。今年は特にBリーグを控えており、選手が良いコンディションでプレーできる環境を作ることがバスケット界の活力に繋がる。そのために、充実したオフシーズンを選手に提供したい」と語る。

短期間ながら充実のメニューでオフシーズンの選手をサポート

プログラムの内容としては、ストレングスコーチの指導の下、ウエイトトレーニングや体力測定をし、科学的なデータの取得および結果のフィードバックを行い、パフォーマンスアップに最も有効なトレーニングやコンディショニングを指導する。締めには玉川大学の学生選手とのピックアップゲームを行う、中身の濃いキャンプであった。

スラムダンク奨学金から進学したアメリカの大学を卒業し、今後はBリーグでのプレーを目指す矢代雪次郎選手は、「オフシーズンにレベルの高いところで練習がしたかったので参加させてもらった」と言う。「アメリカではオフシーズンに様々な選手が集まって質の高い練習ができる場がたくさんあるが、日本にはまだまだこのような場が少ないので、このような機会が増えれば日本のバスケ界の発展につながる」

関西を中心にスポーツ・健康・カルチャーの総合施設15施設をプロデュースする「株式会社東大阪スタジアム(HOS)」が主催するイベント『HOS GAMES』や、海外への武者修行を経てプロリーグに辿り着こうとしている永倉銀史選手もすごく良い機会であったと話す。「プロ選手がたくさんいて、臆せずやれて自信になった。自らアクションを起こしていけば、元々有名だった人と同じ土俵に立てることを証明したい」と力強く語ってくれた。

今年の9月にBリーグがスタートすることで、バスケットボールはこれまでの何倍もの注目を浴びることになるだろう。しかし、日本のバスケットボールは長くマイナースポーツの域を脱せていない状況にあり、今も選手を取り巻く環境は決して充実しているとは言い難い。

新しいリーグが立ち上がるにしても、まずは『プレイヤーズ・ファースト』だ。プロ選手とそれを目指すプレーヤーのための環境を整備し、選手が最高のパフォーマンスを見せれる状態を手助けすることを目的としたこのキャンプ。こういった活動は、今後のバスケットボール界の成長を下支えする重要な要素なのだ。

琉球ゴールデンキングスで5年間に渡りストレングストレーナーを務めた大城英稔によるトレーニングの様子。
パフォーマンスアップに最も有効なトレーニングやコンディショニングが指導された。

 

スラムダンク奨学生の矢代雪次郎選手と、応援に駆け付けたバスケライダーのツーショット。