[スペシャル対談]比江島慎×馬場雄大 バスケ日本代表に勝利をもたらす『日本のエース』と『次代のエース』の初対談!

2017/11/24
日本代表
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文=鈴木健一郎 写真=鈴木栄一 取材協力=スポナビライブ

日本代表の司令塔である篠山竜青と富樫勇樹に続き、比江島慎と馬場雄大の対談をお届けする。比江島慎は長らく代表のエースとして君臨する存在。その非凡な才能、勝負どころでの決定力は日本代表でも群を抜く。現在27歳、選手キャリアの全盛期に差し掛かろうとする今、日本代表のエースとしての自覚をあらためて強くしているところだ。

一方の馬場雄大は筑波大4年生ながら今シーズンからアルバルク東京でプロキャリアをスタートさせたスーパールーキー。恵まれた身体能力を生かしたウイングポジションからのドライブは、見る者を一瞬で虜にする魅力がある。プロデビューを前に代表にも定着したタレントだ。

『エース』とはチームが苦しい時に得点を奪い、勝利をもたらす一発を決めることができる選手。その才能を持つ比江島と馬場に、ワールドカップ予選に向けた意気込みを聞いた。

比江島「(馬場は)日本を背負う選手になっていく」

──まずは比江島選手にうかがいますが、馬場選手にはどんな印象を持っていますか?

比江島 日本人離れした身体能力が、やっぱり日本ではずば抜けてるんじゃないかと思います。プロに入ってからもずっと成長し続けてますし、身体能力プラスうまさも持ってるので、これからどんどん成長して日本を背負う選手になっていくんじゃないかと思います。

──と言われて、馬場選手はいかがでしょうか。

馬場 日本のエースの……。

比江島 いや違います(笑)。

馬場 エースの比江島さんにこう言われて、責任持ってやらないといけないと思います。

──馬場選手から見た比江島選手はどうでしょう。

馬場 小さい時からウインターカップ決勝とかで見てた方ということもあって、プロだとプレーが柔らかいと言うか、独特なリズムを持ってプレーしていると思います。『比江島タイム』と言われているように、取ろうと思えばいつでも点数が取れるような感じでバスケットボールしていますし、その柔らかさを見習いたい、身に着けたいと思っています。

──それぞれオフコートではいかがですか?

比江島 人懐っこいというか、誰にでもしゃべれるし。人見知りする?(馬場選手うなづく) そんな印象は全然ないですけどね。僕は人見知りなので、そういうのはうらやましいと思います。

馬場 独特の世界を持っているなと(笑)。コートではすごい頼もしいんですけど、オフコートだと大学時代の先輩の辻(直人)さんだったり、(張本)天傑さんだったりにイジられてる姿をよく見るので、イジられキャラなのかなというのはあります。

──まだ馬場選手からイジるところまではいけていない?

馬場 そうですね。

比江島 そうか? ちょいちょい髪型いじってくるよ?

馬場 やっぱり偉大な先輩なので、なかなかそういう生意気な口はきけないです。

比江島 いやいや、来始めてはいると思います。

馬場 まあ過ごす時間も長くなってきて、僕も最初はちょっと緊張してたんです。「テレビで見てる人だ」と思って。最近ここ数日は慣れてきて、会話しやすくなってきてはいるので、もしかしたら出てるかもしれないですね。

馬場「一生懸命見て学んでいますけど、是非聞いてみたい」

──代表合宿など初めて一緒にプレーした時と比較して、比江島選手から見た馬場選手はどれぐらいうまくなっていますか?

比江島 めっちゃうまくなってると思います。正直、最初に見た時は身体能力はずば抜けている印象はあったし、スピードもすごいなっていうのはあったけど、まだ粗削りと言いますか「とりあえずドライブに行く」みたいな。大学生だったら多分そのまま高さでいけるので、そのクセがあったと思うんですけど、今は外国人選手もいるし冷静に状況を見極めながら行くところは行って、パスするところではパスしてみたいな、ターンオーバーも少なくなってると思います。

──馬場選手は、比江島選手からこの部分を盗んでやろうとかアドバイスもらったりとか思う部分はどこでしょうか。

馬場 状況判断だったり、ピック&ロールが上手だと思っていて、そこがうまくならないことには僕も上には行けないので、そういう技術だったり目線の使いかただったり、パスフェイク一つにしても振られちゃうところがあるので、そのタイミングというかそういうのは一生懸命見て学んでいますけど、是非聞いてみたいところでもあります。

比江島 とりあえずヘルプに来るやつはパスフェイクにすごくよく引っかかるから、とりあえずしとけばいいって感じです。

馬場 反応できない人とかいるじゃないですか。大きい人だと、センターがヘルプに来ても動かなかったらパスっていう選択肢になるってことですか? その見極めというか、全部見えてるかのようにここってところにパスするじゃないですか。苦し紛れのパスじゃなく「はい来ました、ここね」って。

比江島 ある程度、予測しながらやってるから俺は。「こう来たら、こう来る」っていうのを予測しながらやっているから、余裕を持ってパスができてるかもしれない。

馬場 それは経験とかもあるんですか、場数が違うって感じ。

比江島 そこはもう若くないしね(笑)。国際試合も経験してきたから……。教えるの苦手だしね、アドバイスとか。

馬場 後輩とかにアドバイスされるんですか?

比江島 したことない。

馬場 本当ですか、性格悪いですね(笑)。自分のものだけにするってことですよね要は。

比江島 そこは見て学べばいい。俺は指導者に向かないんだよな(笑)。田中大貴が一緒のチームにいるし、あいつもうまいから。うまいプラス速いしフィジカルあるし。

比江島「横一線でサバイバル中なんで頑張ってます」

──田中大貴選手の名前が出ましたが、比江島選手とは同じポジションでもスタイルが違いますよね。馬場選手から見たその違いはどんな部分でしょうか。

馬場 正直なところ、マコさんより大貴さんのほうがディフェンスはできます。

比江島 あいつはやばいです。多分、日本一です。

馬場 でもスティールはマコさんのほうがするのかな、っていうのは思って。大貴さんは堅実に守るタイプだから、スティールにはあまりつながらないかなと。あとオフェンス面では堅実と言うか、無理はしないっていう感じのバスケをしてるなと。本当にミスも少ないですし、だからボール持ってて安心する選手だとすごく感じます。マコさんは得点を荒稼ぎしてくると思うんです。ちょっとだけミスもあるんですけど、点数で上回ってくるからエースと言われる選手なんじゃないでしょうか。

──比江島選手もそう思いますか?

比江島 思います。高さプラス、フィジカルもあるので。ディフェンスも足が動きますし、外国人選手についても簡単にシャットアウトできますから、大貴は。

──いや、ここで聞きたいのは「比江島選手がエースと言われる」という部分です(笑)。

比江島 それは、昔だったら……。

馬場 何も分かってないですね、君臨していることを(笑)。

比江島 横一線でサバイバル中なんで頑張ってます。

馬場「自分らしいプレーでチームに勢いを」

──エースと呼ばれるかどうかは置いておくとしても、お2人には点を取る部分が期待されています。それは光栄でもあるしプレッシャーでもあると思うのですが、ワールドカップ予選が始まるにあたって、どう受け止めていますか?

比江島 僕はもう若くはなくて、長く経験もしてきました。今まではプレッシャーだとかは感じず、自分のプレーを、自分の実力を証明するだけだと思っていたんですけど、今大会からチームの中心でやっていくっていう意識は一番強いと思いますし、絶対ワールドカップに出なきゃいけないっていうプレッシャーを感じながら、楽しみながらやっていきたいと思っています。

──エースの自覚というやつですね。

比江島 多少はあります。

──今までだと「多少は」とも口にはしなかったと思うので、大きな変化ですね。

比江島 そうなんですよ、もうちょい頑張ります(笑)。

──馬場選手はいかがでしょうか。

馬場 僕もプレッシャーを感じるってタイプじゃなくて、やることすべてが新しいですし。でも日の丸を背負ってやるのは重大なことで、責任と自覚を持ってやらないといけないと思うので、学生とか関係なく、マコさんだったり2番3番のポジションの片方に頼るのではなく、自分は自分らしいプレーをしてチームに勢いをつけたいです。少しでも日本代表の力になれたらなというのが今の気持ちです。

──世界と戦う上で自分のここを武器に戦って行くというのはどこ?

比江島 世界と戦うにはチーム力が必要だと思うんですけど、結局最後は個人の能力だったり1対1が大事だなと思いました。結局、オールスイッチをされてどうしようもなくて誰かが崩していかなきゃいけないっていう時間帯があると思うので、そうなった場合は自分も1対1が得意なので、しっかりと崩してクリエイトしていきたいと思います。

馬場 1対1もそうですけど、オールコートのプレーというのは日本のバスケが体現したいプレーだと思います。ハーフコートオフェンスだと大きさとかで圧倒されてしまうところもあると思うので、コート全面を使っていかに攻めるかっていうのが一つ大切なので、そこを一番得意としてる自分が披露するのと、ディフェンスも激しくやって相手のエースを守る気持ちくらいでやっていきたいです。

比江島「日本らしいプレーをして勝ちをもぎ取る」

──それでは最後に、フィリピン戦とオーストラリア戦に向けた意気込みをお願いします。

比江島 フィリピンはホームコートアドバンテージがあって、初戦というのもありますし、絶対に勝たなきゃいけない試合なので、日本らしいプレーをして勝ちたいと思います。オーストラリアはアウェーで非常に難しい試合になるとは思うんですけど、僕らが成長するチャンスでもあるので、どういう試合展開になるか分からないですけど、日本らしいプレーをして勝ちをもぎ取ってきたいと思います。

馬場 比江島さんも言ったんですけど、日本らしいバスケが一番大切です。ラマスバスケも少しづつ浸透してきてる中で、ラマス監督が求めるバスケットボールというのを出ている5人が体現することが重要だと思います。そのバスケをコートで披露することができれば絶対勝てると思っています。負けられない戦いですけど、絶対勝ちたいと思います。オーストラリア戦はアウェーで相手にアドバンテージがありますが、それは何も失うことがないということだと思うので、ミスを恐れず思い切りプレーして、下克上のつもりで勝ち取ってきます。