「やられている気はしないけど、点数が離れない」
サンロッカーズ渋谷vs琉球ゴールデンキングスの第2戦は、延長戦にもつれた初戦と同様に終盤まで拮抗した展開が続いた。
それでも、終盤に勝ち越されたSR渋谷は逆転を狙ったライアン・ケリーの3ポイントシュートが外れ、74-76で敗れた。
この試合、主導権を握っていたのはSR渋谷だった。特にガード陣がオフェンスリバウンドを奪取し、リードを保って試合を進めた。ベンドラメ礼生も「良いリバウンドがたくさんあったし、雰囲気は良かった」と、試合を振り返る。
だが、最終的に8本のオフェンスリバウンドを許した、琉球のジャック・クーリーのセカンドチャンスポイントを止められず、突き放すことができなかった。「やられている気はしないけど、点数が離れない。良い流れの時にクーリーにセカンドチャンスで繋がれてしまった」と、ベンドラメも言う。
2ポゼッション差以内で試合は推移したが、最終クォーター開始2分、関野剛平の3ポイントシュートが決まり、この日最大となる7点のリードを得た。しかし、直後に小野寺祥太に3点プレーとなるバスケット・カウントを許し、その約3分後に同点に追いつかれた。ベンドラメはその場面が大事だったと悔やんだ。
「7点差になった時点で何本か連続でやられてしまったんですけど、そこで試合を決めきれなかったことがすごく大きいです。もちろん、40分間を通しての結果だとは思うですけど、7点のリードを守り切れなかったのが反省点」
そして、今思えば「クーリー選手がいる分、インサイドが攻め切れなったので、ガード陣が切り込んで思いきり良くシュートを打つのが大事だったかな」と、冷静に考察した。
ラストショット「自分だったらどうだっただろう」
SR渋谷は2点ビハインドで迎えた残り3秒をケリーに託した。シュートは水物とよく言うが、この日のケリーはシュートタッチが思わしくなく、8本放ったすべての3ポイントシュートをミスしていた。
チーム全体で20%(25本中5本)と低調だった3ポイントシュートが敗因の一つでもあったが、その中でベンドラメは4本中3本の3ポイントシュートを成功(75%)させており、最もタッチが良かった。
「(ショットクロックなどの)時間がない時にボールが回ってくることが多く、今シーズンはそういう場面で決めたい気持ちはある」と、クラッチタイムでのプレーに自信を見せるベンドラメだが、指揮官が選択したのはケリーだった。
「自分だったらどうだっただろうという想像はしますけど、自分に任せてほしいというエゴはないです」とベンドラメは言い、「監督がケリーに任せると言ったので、ケリーを信じてパスを出しました」と、その場面を振り返った。
ベンドラメに託しても良かったように思えるが、「終盤にかけてのターンオーバーの多さは自分の課題なので、そういったところが印象づいてるかもしれない」と、ラストショットを託されなかった理由を探した。実際ベンドラメは最終クォーターに2つのターンオーバーを犯している。
もちろん、ケリーはチームからの信頼も厚い大黒柱であり、指揮官の選択は当然とも言えるが、最後を託せる選手が増えれば増えるほど、チーム力は底上げされるはず。
天皇杯を制したSR渋谷だが、その後は7試合で4勝3敗と思うように勝ち星を伸ばせず、東地区4位に転落した。ケガ人の影響もあるにせよ、接戦を勝ち切る上では全員で戦うスタイルがチームに浸透したその先に、クラッチプレーを決めるエースの存在が必要になる。
SR渋谷でその役割を期待されるのはベンドラメだ。今日から始まる日本代表の第6次合宿メンバーに選出され、彼にとってはまた厳しいスケジュールが続くが、その中で高速ドライブからのリムアタック、勝負どころの3ポイントシュートといったクラッチプレーの精度をどこまで高められるか。高い要求にプレーで応えてもらいたい。
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