「自信なさげにプレーしているところが気がかりでした」
宇都宮ブレックスが大阪エヴェッサを迎えた第19節。第1戦は後半にディフェンスの強度を保つことができず逆転負け。天皇杯からの連敗を阻止することができなかった。
渡邉裕規は言う。「最近は本当に勝てていなくて、僕だけじゃなくて選手全員がどこか自信なさげにプレーしているところが気がかりでした。負けが続くと自分たちの良いところを見ることができなくなって、悲観的になってしまうんです」
「ここができなかったから負けたとか、言われたことができなかったとか。もちろん反省はしないといけません。ただ、それだけに意識が行ってしまって思いっきりプレーができなくなって、僕も含めみんなどこか自信がなさそうに見えました。今日の出だしも、打てるのに、もうちょっとプッシュできるのに、というところがあって。そういうことが多くてどんどんズレていって、『あれ?』ってなることが最近は多かったです」
渡邉の言葉通り、宇都宮はここ3戦を僅差で落としていた。今までは負けていても、激しいディフェンスから接戦に持ち込み勝利する粘り強さがあったが、最近は『宇都宮らしさ』が欠けていたと言わざるを得ない。
しかし、昨日の第2戦では最大13点のビハインドから逆転に成功。自分たちのリズムで攻めることができない時間帯が続いたが、チームが勢い付くきっかけとなったのは、渡邉の3ポイントシュートだった。
「点数も離れていたし、早く1点でも多く取って追いつかないと、という気持ちでやっていました。後半に繋げるためにも、とりあえず1桁、そして同点に追いつかないとなと。その中で入れることができてペースに乗れたので良かったです」
「全員で自信を持って戦うことが一番大事」
後半に入ると、宇都宮らしいプレッシャーディフェンスが機能して連続得点を奪い、主導権を渡さなかった。
渡邉は「負けた試合を見ていて、試合や各クォーターの入りがあらためて重要だと気が付きました」と言う。
「今日も前半は悪い展開だったけど、逆転してこっちが勢いに乗って、後半の出だしで強度が高いディフェンスができました。今日の後半は、スティールやルーズボールだったりと、全員がウチのバスケットを取り戻せたのが一番の勝因かと思います」
この勝利が「浮上する良いきっかけになった」と渡邉はいう。今シーズンの宇都宮は15連勝で東地区1位を走っていたが、天皇杯明けの3連敗により首位から陥落していた。
「今日はライアン(ロシター)も得点を取れたし、ケガ人も帰ってきて、要所でみんなが活躍できたと思います。この試合をきっかけにみんなが『こういうプレーをしないと試合に出られない』、『こんな努力を今までしていたんだ』というのを思い出して、今後に繋がれば良いと思っています」
『自信』と『らしさ』を取り戻しつつある宇都宮は、東地区で宇都宮をかわして首位に立つアルバルク東京をホームに迎える。現在のゲーム差は1。この水曜ナイトゲームに勝って勝率で並ぶことができれば、失った自信を取り戻せるはずだ。
渡邉は「次はA東京なので相手のやりたいことをさせないように、全員で自信を持って戦うことが一番大事」と次節への意気込みを語った。
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