テーブス海

「10段階で8ぐらい」の高評価

『逆輸入選手』として宇都宮ブレックスに加入したテーブス海は、1月15日に行われたサンロッカーズ渋谷戦でBリーグデビューを果たした。開始約7分でコートに立つと、試合を通じて20分23秒のプレータイムで12得点2アシストを記録。いきなり及第点以上の結果を残した。

この夜のブレックスアリーナのスタンドには、Bリーグ初年度にSR渋谷を指揮し、現在はWリーグの富士通レッドウェーブでヘッドコーチを務める父のBTテーブスも観戦に訪れていた。

テーブスは試合後、「渋谷のディフェンスが激しかったので、緊張する時間もなかった」と話したが、BTは「ドキドキしているようだった」と、父の目から見れば緊張している様子だったと語った。

それでもBTが「本人は最初からガンガン攻めたいと言っていて、プレーを見たら緊張に負けないようにしていた」と話したように、テーブスは緊張を感じさせないプレーを披露した。

接戦の末にチームが敗れたため、チームの勝敗を唯一の評価基準とするテーブスは「負けたので0点です」と、厳しい自己評価を下しているが、BTは21歳の息子のパフォーマンスを大いに評価している。「ピックからのドライブとボールキープは良かったと思う。この歳で、相手が天皇杯を優勝したばかりのSR渋谷で、ベンドラメ(礼生)とかとマッチアップした中でいつもよりターンオーバーが少ないのも良かった。ワイドオープンのシュートも決めたし、10段階で8ぐらい」

またBTは「接戦の試合でも変な緊張はなさそうだったし、最後の最後まで自分のプレースタイルを貫いたのは良かった」と度胸の良さを褒めた。実際、SR渋谷の強烈なプレッシャーディフェンスをかいくぐり、ターンオーバーを抑えて接戦の終盤を任されたこと自体、年齢とポイントガードの役割を考えれば大いに称賛されるべきだろう。

テーブス海

「簡単に抜かれた場面が何回かあった」

ディフェンスを引き付けてのアシストやドライブからのキックアウト、そして滞空時間の長いレイアップなど、テーブスの一つひとつのプレーに観客は驚嘆の歓声を上げた。これ以上ないデビュー戦となったように思えるが、BTには課題も見えている。「今日の一番の課題はディフェンス。オンボールディフェンスではスタンスが少し高くて、山内(盛久)とかベンドラメにチェンジオブペースで簡単に抜かれた場面が何回かあった。アメリカは大きいガードが多いけど、スピードで抜かれることは少なかった」

確かにドライブで抜かれるシーンは何度か見受けられた。BTが言うように、アメリカで対戦してきたポイントガードと日本のポイントガードではサイズもプレースタイルも異なり、守り方も変わってくる。その部分のアジャストが最初の課題になりそうだ。それでもBTは「去年の代表合宿でああいう選手と練習した。久しぶりで勉強になったと思う」と、大きな問題とはとらえていない。

BTは最後に、Bリーグデビューを果たした息子の成長を願う言葉で締めた。「もっと成長しないといけないと言っていて、この環境で本人が成長できると思ったからBリーグにやってきた。だから、今日はすごく良い経験になったと思う。早起きしてワークアウトをして、そういう気持ちをずっと持ち続けたら良い選手になるだろうね」

テーブス海の成長は確実に宇都宮のチーム力アップに直結する。彼の存在が王者奪還のラストピースになるかもしれない。

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