全員バスケが最後まで機能しSR渋谷が決勝へ
天皇杯の準決勝、サンロッカーズ渋谷は96-69と滋賀レイクスターズを圧倒して決勝進出を決めた。
序盤から強度の高いディフェンスを披露したSR渋谷は、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントで優位に立つことでリードを広げた。徹底したタイムシェアにより誰が出ても最後までディフェンスの強度は落ちず、すべてのクォーターで上回り完勝した。
伊佐勉ヘッドコーチは試合を控えた選手たちにこのような言葉を掛けたという。「明日をオフにするのか、ファイナルで戦うのかは自分たち次第、どっちが良いか考えろと。答えは明白で、そこに向かってしっかり良い仕事をしようということを話しました」
そして、「明日への気持ちはすごく強かったと思いますし、出だしから40分間途切れることなく、自分たちが積み上げてきたことを表現してくれた」と称賛したように、選手たちは最高のパフォーマンスを披露した。
13分間の出場で8得点3アシストを記録し、限られたプレータイムの中で効率の良いパフォーマンスを見せた石井講祐もチームバスケットの勝利を強調した。
「出だしから自分たちのプレッシャーディフェンスだったり、オフェンスもボールをシェアしてテンポ良く攻めれました。タイムシェアをずっとしているのでフレッシュにできているし、自分たちのリズムでバスケットができたのが良かった」
「みんなは物怖じしないタイプなので大丈夫」
SR渋谷はNBL時代の2015年に初優勝を果たすも、それ以降はベスト4の壁を超えられなかった。
リーグ戦とは異なる一発勝負のトーナメントはやはり経験がモノを言う。だからこそ、千葉ジェッツで天皇杯3連覇を経験して、ただ一人4連覇の懸かる石井の経験はSR渋谷にとって貴重なものとなる。
普段とは異なる環境に多くの選手が緊張したと語る中、石井は「決勝の舞台はすごく楽しい場所なので、その舞台を楽しんで4連覇したい」と涼しい顔で言い放つ。
「優勝の自信はあります」と頼もしい言葉が続いたが、それはチームメートへの信頼も含んでいる。
「自分のプレーやリーダーシップで引っ張って行きたいとは思っていますが、特に何かアドバイスをする必要はなく、ゲームの流れを見て、その都度言えばいいと思っています。みんなは物怖じしないタイプなので大丈夫だと思います」
ケガから復帰した後、石井のプレータイムは10分以内に抑えられていたが、今日は第3クォーターを終えた時点で13分の出場とコンディションも上がっている。
3連覇を成し遂げた経験があるからこそ、石井には決勝の舞台を楽しむ余裕がある。SR渋谷にとって2度目、そして個人として4連覇の実現は、石井の双肩に懸かっている。
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