今野「ギリギリのラインでやってこそのプロです」
10月21日、大阪エヴェッサは千葉ジェッツ相手に第1クォーターで2桁のリードを奪うと、そのまま最後まで押し切る展開で84-68と快勝した。この勝利の大きな要因となったのが、千葉の大黒柱である司令塔、富樫勇樹を徹底マークで抑えたことだ。この試合、富樫は12本中3本とシュート成功率が低く9得点3アシスト。ターンオーバー5を献上と、いつもの彼らしいプレーを見せられなかった。
この富樫封じを担ったのが、今野翔太、合田怜の2人で、桶谷大ヘッドコーチも絶賛する働き。そして富樫も「フィジカルに来られているとはかなり感じました。特に今野選手には、すごく嫌なディフェンスをしてこられました。今日はうまくチームをコントロールできなかった部分があったので、明日も同じプレッシャーはあると思いますが、うまくチームを動かせるようにしたいです」と語るほどだった。
その今野はまず試合の勝因について「リバウンドで10本以上、上回ったことが大きかった」と語る。富樫へのマークについては「コーチの求めるようにやったつもりです。後半は抜かれることもありましたが、プラン通りにできた。僕の持ち味を出せたと思います」と振り返る。
富樫がボールを持つと、ファウルを取られてもおかしくないほど身体を寄せてプレッシャーをかけていたが、今野としてはファウルにならないと自信を持っての密着マークだ。「感覚として、ファウルかどうかの線引きはあります。いつもファウルぎりぎりのラインでやっていますが、それくらいやってこそのプロです。せめぎ合いでやるからお互いうまくなりますし、そのラインを楽しみながらやっています」
「チームの中ではディフェンスマンとして位置付けられているので、まずは守備で貢献したい」と言う今野。まさに守備職人としての巧さと強さが光った。
合田「気持ち良くプレーさせないことを考えた」
今野とともに富樫のマークを担当した合田は、「富樫選手は乗せてしまうとリーグでもトップクラスの得点力があるので、そこをいかに抑えるのか。僕の場合は、ファウルしてでも相手を嫌な方向へと行かせる。気持ち良くプレーさせないことを考えていました」と語る。
また、「今野選手がうまく守っていたことで、自分で勝手にプレッシャーを感じてしまい、最初はやられてしまいました。ただ、そのタイミングで前半が終わってくれて、ハーフタイムでうまく気持ちを切り替えられたのが良かったと思います」と、今野と交代でマークについた当初の失敗をしっかり修正できたのも大きかった。
そして、合田は司令塔としても、インサイドに積極的にアタックを仕掛け、自ら得点を挙げるだけでなく味方のシュートチャンスもよく作り出していた。「どこが勝っているのか、どこが負けているのかを考えて、うまく自分が狙ったところで攻められました」と、攻守で手応えを感じられた一戦だった。
2人がともに強調するのは、いかに富樫を嫌がらせることができるのか。当然、今日の第2戦は千葉も対策を講じてくるだろうが、その上で第1戦のようなしつこいディフェンスができるのか、非常に興味深いところだ。
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