後半に揺らぐも、選手たちでハドルを組んで立て直す
12月8日、川崎ブレイブサンダースがホームで琉球ゴールデンキングスと対戦。3ポイントシュートに、ゴール下でのイージーシュートと理想的な形で得点を積み重ね、98-75で圧勝した。
出だしはともに高確率でシュートを決め合う互角の展開となったが、川崎は琉球のオフェンスにアジャストし、残り5分で失点わずか1に封じ込める。オフェンスではジョーダン・ヒースが3本の3ポイントシュート成功を含め、このクォーターだけで15得点の大暴れ。さらに辻直人も3ポイントシュート2本成功と、高確率で長距離砲を沈めた川崎が29-15と先行する。
第2クォーター、琉球も岸本隆一の3ポイントシュートなどで追い上げるが、川崎は熊谷尚也の力強いドライブなどゴール下への積極的なアタックを続け、14点リードで前半を終えた。
第3クォーターの出だし、琉球はジャック・クーリー、ユージーン・フェルプスのインサイドアタックで点差を1桁に縮める。川崎が競り勝った昨日も、前半に2桁リードがありながら第3クォーターに一度は逆転されており、その再来かと思われるような後半の立ち上がりとなった。
しかし、今日の川崎はここで崩れず立ち直った。佐藤賢次ヘッドコーチが次のように振り返る。「後半の出だし、相手にまた良い流れを持っていかれました。ハーフタイムで『昨日の試合は覚えているよね。同じことはやめよう』と話したのですが、同じことになりそうでした。それでベンチでちょっと怒っていました。ただ、今日はそこで選手たちがしっかりハドルを組んで解決して、タイムアウトを取ることなく持ち直してくれた。そこは成長してくれたと思います」
激しいディフェンスから走って最高勝率をキープ
この結果、2桁リードを維持した川崎は、第4クォーターに入って集中力の切れた琉球を相手に着実に加点し、最終的に23点の大差をつけた。
90-87で勝利した前日に続いてハイスコアリングゲームの川崎は15勝3敗とリーグ最高勝率の座をしっかりキープ。佐藤ヘッドコーチは、こう勝因を語る。「昨日に引き続き琉球さんが激しく来る点は予想していました。出だしで激しいディフェンスをして走れた、前半で良い時間を作れたのが勝因です」
また、天皇杯ベスト16の大阪エヴェッサ戦(87-64)を含め、オフェンスが好調な試合が続いていることに、「連携は良くなっている手応えがあります」と言う。「開幕当初は動きのタイミングが合わない、うまくスペースを取れていないことがありました。それが良い習慣を身に着けるオフェンスの練習を続けることで、成果が出ています」
そして指揮官は、エースのニック・ファジーカスが9得点に終わる中での大量得点を収穫に挙げている。「ニックにディフェンスが密着することで空いたリング下に、他の選手がガンガンアタックしてくれた。自信を持ってやれているのは良かった」
実際、この試合の川崎はレイアップを多く決めることで、ペイント内で50得点。さらに3ポイントシュート12本成功の36得点と、得点の大半はゴール下と3ポイントという効率点に得点を重ねた。ここに来てチームの質が上がっていることが確認できるこの2連勝だった。
「自分たちのディフェンスに対する意識が低かった」
琉球では佐々宜央ヘッドコーチが前日に続いて体調不良でベンチに入らず。代理として指揮を執った藤田弘輝アシスタントコーチは試合をこう振り返る。「終始ディフェンスに苦しんだ試合で、第1クォーターから第4クォーターまですべて20点以上を許してしまいました。いろいろなところから点を取られ、川崎さんに一番良い形でバスケットボールをさせてしまいました」
特に琉球にとって悔やまれたのは、「流れをつかみかけられそうな時、得点を取った後に単に戻りが遅れて簡単に点を取られる。自分たちのディフェンスに対する意識が低かったのは残念なことです」と藤田アシスタントコーチが語ったように、イージーミスが多かったことだ。
琉球は佐々ヘッドコーチの下、ディフェンスとハードワークを根幹とすることで過去2シーズンはリーグ上位の成績を残してきた。リーグ随一の爆発力を誇る川崎が相手とはいえ、自分たちの柱が崩れてしまったわけで、早急な立て直しが求められるシーズンの踏ん張りどころを迎えた。
12月8日のB1 9試合の結果
富山72-73千葉
島根85-92SR渋谷
秋田85-74A東京
新潟63-67横浜
滋賀82-73三河
京都80-86大阪
北海道78-55三遠
宇都宮87-71名古屋D
川崎98-75琉球
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