文=丸山素行 写真=古後登志夫

先日行われたユニバーシアード競技大会で、準優勝に輝いた女子ユニバーシアード日本代表。東京医療保健大4年の津村ゆり子と2年の藤本愛妃は、ともに銀メダル獲得に大きく貢献した。ユニバが終わった後は大学に戻り、すぐに秋のリーグ戦が開幕。5勝1敗と好スタートを切った東京医療保健大を引っ張る2人に話を聞いた。

津村「ガード陣は日本のほうが上です」

──ユニバ代表からチームに戻りましたが、ユニバでの経験から得たものはありますか?

津村 私の一番の強みはドライブで、ドライブや走ることはあらためて強みだと感じられました。チームに戻ってもこれをやればいいんだと実感できました。

藤本 海外のチームは細々したプレーが上手じゃなくて、そう考えると個人のレベルは日本のほうが上手なんです。高さでやられた分、どう戦っていくかという部分は大学でも通用するし、そこで得たものを出していきたいという思いがモチベーションになってます。日本のガードのほうが技はうまいし、アシストもうまい。ただパワーと高さにやられたっていうだけと思うので。

──ユニバで世界と戦って、そこで内容も結果も伴う戦いができました。大学に戻って公式戦が始まった今、「物足りないな」と感じることはありませんか?

藤本 いや、大学リーグのほうが大変なんです。パワーが強くて一回一回のダメージが大きいし、スケジュールが早稲田、拓殖、白鷗となってくると力は五分五分なので。

津村 センター陣は海外のセンターと戦うのがしんどいと思います。でもアウトサイドの選手は、相手のほうが大きくても抜きやすいというのがあって、そこはポジションによって違います。スピードだったら勝てるという気持ちもあったので。ガード陣は日本のほうが上です。練習にしても、監督(恩塚亨)も日本代表でアシスタントをやってたりして、毎日違う練習をやるんです。練習メニューも何時間も考えてやってくれます。

藤本 日々学びますよね、飽きないです。私が東京医療を選んだ理由はそれもあります。

藤本「誠実に、そしてチームで戦う姿を見てください」

──代表とは環境が違うので、周りの選手と温度差が生まれたりはしませんか?

藤本 ないですね。むしろ引き締まります。こっちもガチで日本一を目指してるから、みんなも本気でやってます。ユニバから帰って来ても、浮かれてなんていられないです。

──代表と遜色ない環境が整っているのですね。では、そんな大学女子バスケの魅力を教えてください。

藤本 女子バスケは誠実にプレーすると思います。男子に比べ身体能力がない分、誠実にプレーするので見やすいかと。私たち医療はチームで戦ってます。タイムシェアもしっかりするし、私たちのチームで戦う姿を見てください。

津村 タイムシェアで、出ている時間は3分くらいで一気に出て、その中で一人ひとりが一つもさぼらずにやる。それを40分間やり続ければ絶対勝てる、みんなそれを理解してやってます。

藤本 チームで戦えている時は本当に強いと自分でも思うので、それをやっていきたいです。

ユニバの次はA代表?「いやいやいやいや(笑)」

──リーグ戦ではユニバでチームメートだった選手との対戦もありますよね。

藤本 しかも主力選手じゃないですか。その人にやられるから悔しい部分もありますけど、その分自分もやり返したいと思うので良いモチベーションにはなります。

──練習でのマッチアップも多かったので、強みや弱み、クセも分かりますよね?

藤本 マッチアップしたら「こうくるかな」とかはありますね。

津村 私は「右にしかドライブしないよ」と絶対言われてる(笑)。

──女子だと高校を卒業してそのままWリーグに進む選手もいます。そういった選手に対して焦りはないですか?

藤本 全然ないです。私はむしろ自ら大学を選びました。高校から直接行くと、身体ができてなくてケガが多いイメージがあったんです。大学で身体を作ったり、資格を取りたいのもあったし、大学からでもWリーグには行けると思うので、それで大学進学を選びました。

津村 私は高校まで全国に行ったことがなくて、県大会でベスト8くらいだったんです。挑戦したいと思ってこの大学に来ました。先のことは考えていなかったというか、ユニバに選ばれたのも「まさか」って感じでした。続けていくうちに入りたいって思うようになってきた感じです。

──ユニバの活躍が自信になって、次はA代表を目指すのが自然な流れかと思いますが……。

津村藤本 いやいやいやいや(笑)。

津村 まだ雲の上の存在で、プレーを見て勉強してます。リーグで優勝してシード権を取って、インカレ優勝を目指します。

藤本 とりあえずリーグ戦です。リーグは拮抗していて本当に分からないんですよ。目の前の試合に集中します。

──では、中長期的に見た場合の目標を教えてください。

津村 私は大学を卒業したらプロに行って、まだ遠いけど地道に頑張って代表も目指していきたいと思ってます。大学でバスケを辞める気はないです。

藤本 私はまだ2年だから分からないですけど、Wリーグには行きたいです。その頃には世代交代してますかね?(笑) 私も代表を目指して頑張りたいです。