写真=野口岳彦

支払い保証のない契約で、熾烈な生存競争を強いられる

ジョシュ・チルドレスがナゲッツと契約し、2017-18シーズンのトレーニングキャンプに参加することになった。

チルドレスは2004年のNBAドラフトで1巡目全体6位指名を受けた逸材。NBAで8シーズンを過ごし391試合に出場している。昨シーズン途中に三遠ネオフェニックスに加入。すぐさまチームに馴染むと、機動力と滞空時間の長いジャンプ、そして長い腕のリーチを生かし、NBAでは3番ポジション(スモールフォワード)だったにもかかわらずリバウンドを制した。また攻めでも三遠のチームバスケットに加わりながら要所ではフィジカルとスピードを生かした1on1を果敢に仕掛け、相手チームの脅威に。1試合平均18.6得点、9.5リバウンドという数字以上に、1年目のBリーグに大きなインパクトを残した。

この夏は3on3の新リーグ『BIG 3』でプレーしていたチルドレスだが、今回の契約でNBA復帰への道が大きく広がった。

ただし、ナゲッツは現状で17人の選手を抱えており、ウィルソン・チャンドラー、ウィル・バートン、フアン・エルナンゴメスといった同ポジションの選手を上回る実力をアピールする必要がある。チルドレスの契約は支払い保証のないもので、開幕までロスターに残るのは相当に難しいと考えるべきだ。

NBAで391試合に出場する実績を持つチルドレスだが、NBAで最後にプレーしたのは2013年12月と4年近いブランクがある。シビアに見れば、チルドレスとの契約は同じポジションの主力選手がケガをした場合などに備えた『保険』と見なすべきかもしれない。ただ、仮にナゲッツのロスターに残ることができなかったとしても、トレーニングキャンプに参加することは本人にとってプラスだし、そこでの映像は他のNBAチームへの最良のアピール材料になるだろう。

三遠で素晴らしいプレーを見せてくれただけに、Bリーグでもっと見続けたい気持ちもあるが、NBAの舞台で再び活躍するチルドレスの姿も是非見てみたいものだ。