大分県日田市の『普通の高校』で頑張るバスケ部!
これまで全国のバスケットボール強豪校やアンダーカテゴリーの日本代表選手を紹介してきましたが、バスケが好きでプレーを楽しむ人はみんな等しく尊いのです。そんなわけで、大分県日田市が取り組むサービス『ひたふるさと案内』(ひたふる https://hitafull.jp/)の協力を受けて、『昭和学園高等学校』のバスケットボール部を取材しています。
連載第5回では、女子1年生部員に登場いただきます。当連載のスタートは今年の春。当初は入学したばかりでプレーを楽しむ余裕はなかったかもしれませんが、もうすっかり慣れた様子。最初は先輩たちの後を追うだけでしたが、3年生が引退して代替わりすると、2年生は4人で1年生は3人。部員が少ないので全員が『即戦力』で、いつまでも新人気分ではいられないのです。それでも高校生らしく勉強とスポーツを両立する彼女たちは、なんだか楽しそう。
1年生の女子部員は3名。写真左の内野美咲選手はミニバス出身、中央の山本あゆみ選手は昭和学園に入学してからバスケを始めたばかり、右の長野安莉選手は中学から本格的にバスケをやっている、と全員バスケ歴が異なるのが面白いところ。先日は提携している短大で行われた招待大会で新チームでの初勝利を挙げ、さらにやる気がUPしている様子。顧問の椋園亨先生は1年生の3人について「とにかく楽しそうにバスケットをやっているのが良いところ。今の楽しそうにプレーする姿をずっと見せてもらいたいです」と紹介してくれました。
「いろんな人とかかわることでコミュ障が改善できました」
──入学して半年がたちました。皆さん、半年間やってみてバスケ部はどうですか?
山本 私はまだまだ何もできないです。ディフェンスは全然できないし、オフェンスの動きも分からないし。でも部活は楽しいです。1年生は仲が良いし、先輩もみんな優しくて、練習中も自分のことだけじゃなくて周りの人とかにも教えたりしてくれます。だから先輩との上下関係もうまくやれているし、楽しく部活ができています。
内野 一番良かったのは、ウチの部活は先輩たちとか男子とも一緒に練習するから、中学の頃よりバスケを好きになれたことです。部活はすごくキツいですけどサボらずに来ているし、勉強もある程度は頑張れていると思います。
長野 私も2人と似てて楽しいです。いろんな人とかかわることでコミュ障が改善できました。入学した時は特に、年上とも同級生ともしゃべれなかったんです。この3人がすごく仲良くなったのも割と最近で、それまでは楽しくなかったわけじゃないんですけど「今日はしゃべれるかな?」みたいな心配がありました。今は部活もクラスも楽しいです。この前の大会で私はあまり活躍できなかったのですが、緊張せずに頑張れました。
山本 先輩たちがフレンドリーなのが大きいと思います。
長野 それで私も勝手にしゃべれるようになったのかもしれないです。
内野 私は小学校の頃から人としゃべるのは好きで、自分から話し掛けたりしていましたけど、高校に入ってバスケ部で中学の時より先輩とかかわることが多くなったから、コミュニケーションはいっぱい取ってます。
「本当はバスケは中学で終わりにするつもりでした」
──山本選手は高校でバスケを始めたと聞きました。どんな理由でバスケを選んだんですか?
山本 中学の時に体育でやったバスケが楽しかったのがきっかけです。あこがれもあったから高校でやってみようと思いました。中学の時は卓球部でした(笑)。
──内野選手は小学生の時からバスケをやっているんですね。どんなプレーが得意ですか?
内野 オフェンスよりディフェンスが好きです。相手のコースに入って止めるのが得意です。本当はバスケは中学で終わりにするつもりだったんですけど、高校で見学に来たら入りたくなってしまいました(笑)。
──それぞれチームメートの2人がどんな性格なのか教えてください。長野選手はどうですか?
内野 常に明るいし、絶対に文句を言わないし、良い子ですね。
──山本選手はどんな性格でしょう?
長野 毒舌なんですけど、そこでちゃんと指摘してくれるのが良いです。あと面白いですね。たまにめっちゃテンションを上げてくるから雰囲気も盛り上がります。私はおとなしいですけど。
山本 うそつけ!(笑)
──内野選手はどうですか?
山本 とにかく褒めてくれて、良いところばかり言ってくれるし、言うべき時は悪いところもちゃんと言ってくれます。あと笑い方と性格はサバサバしてますね。
「痩せたらバスケでも動きやすくなりました(笑)」
──ちなみに、今の高校1年生ってだいたい彼氏がいるものですか?
内野 意外とみんないないと思います。入学した頃にみんな付き合いだして、2カ月ぐらいで別れてみんないない、みたいな感じじゃないですかね。私はずっといないんですけど(笑)。
長野 彼氏が欲しいって会話にはなりますね。
──では、言うのはタダなので理想のタイプを教えてください。
内野 爽やか系の薄いイケメンで、髪型がマッシュルーム、あと身長が高くてオシャレで……。
山本 みんな理想が高すぎて……(笑)。私はまず面白くて、性格が優しくて、あと自分より身長が高い人がいいです。
長野 優しくて頼りがいのある人ですかね。顔はそんなに気にならないです。私は一応気になる人がいて、その人のために痩せようと思って6kg痩せました。目標はあと5kg。バスケでも動きやすくなったと思います(笑)。
──昭和学園は男子と女子と一緒に練習するじゃないですか。バスケ部の男子はモテますか?
内野 すごくモテますね。身長もあるし、優しさみたいなキャラもあるし。バスケって客観的に見てオシャレだと思いますし。でも優しくて面白い人はだいたいみんなモテてます。
「もちろん試合では活躍したいです!」
──いろんな人に「どんな選手になりたい?」と質問しているんですが、ここではちょっと変えて「どんな女性になりたい」とか「どんな大人になりたい」を聞こうと思います。
長野 自分で女を捨ててる感じがするんですよ、笑い方とか(笑)。おとなしい、女性らしい女の子になりたいです。私は看護科なので、男性を支える女性というか。
山本 私は人から相談を受けた時に、真面目に聞こうとするのですが、自分にとって嫌なことだと思ったことを直接、激しく言ってしまうので、そこは直したいです。私はキャリア科で、結構前から美容師になろうという夢を持っていたんですけど、それだけに向かっていけなくて、総合のクラスに入って幅広く考えています。
内野 飽き性で物事を継続できないし、サバサバしちゃうというか、感情を表に出してしまうから、おしとやかで可愛い系の女子になりたいです。私も看護科で、バスケを3年やったら国家試験のために勉強します。
──みんなそれぞれ将来の目標があって勉強に取り組み、バスケも頑張っていて、素敵な女性にもなりたいわけですね。最後に一人ずつバスケとそれ以外の面での目標を教えてください。
内野 バスケ部では1年生が3人しかいない中で自分がガードをやっていて、2年生に頼り切りで点数も取れていないので、新チームになった時のことを考えてもっと自分から攻めて、3ポイントシュートも打ったりしてチームに貢献したいです。1勝できたのでモチベーションは上がっています。私生活では勉強でちょっと集中できていない面もあるので、もっと頑張りたいです。
山本 バスケではまだ全体的にできないことのほうが多いから、自分のできることを少しずつ増やしていって、少しでもみんなに追い付けるように頑張ります。勉強では得意な教科と苦手な教科の差が大きいので、まずは一番苦手な現代社会を何とかしなきゃいけない。将来のことも考えて少しずつ勉強を頑張ります。
長野 バスケでは試合に出るといつも緊張して身体がガチガチになってしまうので、緊張を克服できるようになるのが目標です。もちろん試合では活躍したいです。あと、怒られてショボンとならないように。勉強では患者さんに信頼される素晴らしい看護師になれるよう頑張ります。