ディフェンスからリズムを取り戻し逆転勝利
千葉ジェッツvs島根スサノオマジックの第1戦。千葉は立ち上がりこそ苦しんだものの、伝家の宝刀である『堅守速攻』を体現した第2クォーターを25-9と圧倒して逆転。その後は堅実な試合運びで粘る島根を振り切り、79-67と今シーズン最少失点で勝利した。
第1クォーター、島根はターンオーバーが1本のみと安定したオフェンスを展開。ブライアン・クウェリがフィニッシャーとなる合わせが効果的に決まったことに加え、3ポイントシュートを6本中4本を成功させる。ハリーバックを徹底することで速攻での失点を最少限に抑え、24-15とリードした。
だが、第2クォーターに入ると、ベンチメンバーが奮起した千葉の逆襲が始まる。原修太が連続でドライブから得点するなど、第1クォーターにあまり見られなかった縦への突破も生まれる。そして、藤永佳昭がディフェンスマインドを注入。相手ポイントガードに激しいプレッシャーをかけることで、簡単にセットオフェンスを遂行させない。オフェンスの展開を遅らせることでタフショットを打たせると、すぐさまボールをプッシュする速攻を連続で成功させて、11-0のランを生み出した。
さらにロバート・カーターを休ませる島根に対し、マイケル・パーカーが起点となってインサイドを攻め立て、オフェンスリバウンドからの得点などインサイドでも優位に立つ。このクォーターだけで11点を速攻から稼ぎ、40-33と試合をひっくり返した。
後半に入ると、島根は山下泰弘がギャビン・エドワーズとの接触で負傷するアクシデントに見舞われる。また、クウェリが早々に個人4つ目のファウルをコールされるなど苦しい展開が続き、ビハインドは2桁に乗った。
島根は千葉のシュート精度が上がらないことにも助けられ、相馬卓弥やカーターが要所で3ポイントシュートを沈めて食らいつく。それでも、千葉に再び流れを呼び込んだのは藤永だった。前線から激しく当たって簡単にボールを運ばせず、北川弘のオフェンスファウルを誘発してポゼッションを奪った。
ディフェンスでリズムが生まれたことで、千葉のトランジションオフェンスが蘇る。マイケル・パーカーやニック・メイヨがフィニッシャーとなり、速攻から加点しリードを広げた。パーカーがクウェリを、メイヨがカーターをブロックするなどディフェンスも機能し、2桁以上の点差を保った千葉がそのまま押し切った。
「ホームを守るという意識を全員で持ってやっていきたい」
勝利した千葉の大野篤史ヘッドコーチは「ビハインドを背負った展開になりましたが、ベンチから出てきた藤永がトーンをセットしてくれた。そのおかげで、自分たちのディフェンスからのリズムを取り戻すことができて、オフェンスに良い影響を与えた」と、藤永の働きを称えた。
ただ、島根の粘りに遭いリードを広げられなかった点を課題に挙げる。「自分たちのリズムになった時に走り切れない。ディフェンスを改善してオフェンスが良くなってきたのに一休みして、オフェンスの停滞がディフェンスの悪さに繋がって元に戻ってしまうところがある」
一方、敗れた島根の鈴木裕紀ヘッドコーチは「リードしてる時間帯に外国籍選手を休ませてしまって、千葉さんの息を吹き返させてしまった。押しきれるところまで押し切るべきだった」と、反撃を許した第2クォーターの選手起用を悔いた。
また、「強豪チームに対しては、ほんとにちょっとしたオフェンスミスやディフェンスミスが大きな差に繋がってしまうとあらためて感じた試合でした」と、1ポゼッションの大事さを痛感したという。
千葉は最少失点での勝利に加え、ホームでの初勝利となった。大野コーチは「すごくホッとしています」と、ホームでの勝利に安堵の表情を浮かべたが、「成績も成績なので、ホームを守るという意識を全員で持ってやっていきたい」と、今後の上昇を誓った。
10月26日のB1 9試合の結果
京都60-68新潟
A東京92-84三河
名古屋D83-72横浜
大阪82-77北海道
千葉79-67島根
SR渋谷74-81川崎
秋田77-63滋賀
富山75-88宇都宮
琉球74-59三遠
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