シーホース三河

ディフェンスから崩れ、後半を32-53と失速

シーホース三河vs千葉ジェッツの第2戦。前半は拮抗した点の取り合いを繰り広げたが、千葉のトランジションオフェンスを止められず、悪い流れがオフェンスにも伝播して後半に失速。84-107で敗れ、3連敗を喫した。

序盤にペースをつかんだのはホームの三河。ダバンテ・ガードナーがパスを散らし、テンポ良く得点していく。開始2分、金丸晃輔の速攻が決まり9-0とリードした。

だが、ここでタイムアウトを取った千葉はすぐに立て直す。大野篤史ヘッドコーチが「リバウンドでイニシアチブを取られないため」と起用したジョシュ・ダンカンが2本のオフェンスリバウンドを奪い、セカンドチャンスポイントで追撃。ここからトランジションを速め、ギャビン・エドワーズやマイケル・パーカーがフィニッシャーとなる速攻を繰り出し、同点に追いついた。

その後はともに強みを出すハイスコアリングゲームに。三河はガードナーの1on1に固執せず、パスを散らして周りを生かした。わずかなスペースを見つけてドライブから得点した岡田侑大が10得点、3本すべてのシュートを沈めた熊谷航も8得点を前半だけで挙げた。また、第1戦では出番がなかった桜木ジェイアールも老獪なプレーで6得点を挙げるなど、バランスの良いオフェンスを見せた。

だが、千葉も自慢のトランジションオフェンスが機能して一歩も引かない。第1戦では11本すべてのシュートが外れ無得点に終わった富樫勇樹が、2本の3ポイントシュートを含む10得点を第2クォーターだけで挙げるなど本来のパフォーマンスを見せた。

シーホース三河

ミスから走られる悪循環に陥った三河

52-54と2点ビハインドで三河は後半を迎えたが、千葉のトランジションオフェンスを止められず、ハーフコートディフェンスでもマークを空けてしまう場面が増え失速していく。

富樫のピック&ロールに対しアンダーで守れば3ポイントシュートを射抜かれ、追いかければパスをさばかれてローテーションが間に合わない。守り方が定まらず、失点がかさんでいく。

千葉の好守備に阻まれインサイドで得点が奪えず、その焦りから高確率で決まっていたシュートも落ち始めた。試合後、鈴木貴美一ヘッドコーチが「焦ることはないんですが、オフェンスで一人ひとりが頑張り過ぎてしまって、そのミスから走られてしまいました」と語ったように、そこから走られる悪循環に陥り、このクォーターを13-26と落とした。

最終クォーターに入り、川村卓也が連続得点を挙げて食らいつこうとするが、ドライブと連動したパス回しからマークを剥がされ、簡単にシュートを打たれて失点してしまう。連続得点を奪えず逆に速攻を許し、高確率で3ポイントシュートを射抜かれるなど点差が開いていった。

そして残り4分、ガードナーのスクリーンがオフェンスファウルをコールされた直後、富樫に3ポイントシュートを決められ、ビハインドが20に到達したところで勝負アリとなった。

千葉ジェッツ

求められるディフェンスの改善

敗れた三河は計14のターンオーバーから29失点を喫し、速攻でも4-15と大きく水を空けられた。鈴木ヘッドコーチもその点を敗因ととらえ、「スタッツの通り、タフショットのミスから走られて20点多く取られてしまいました。相手に比べてそこの自滅が多くあったということです」とコメントしている。

また、3ポイントシュートを57.1%(28本中16本成功)と高確率で射抜かれたことが敗因となっただけに、あと一歩間合いを詰めるなど、ディフェンスの改善が急務となる。

それでも、三河は岡田の19得点を含む4人が2桁得点を記録するなど、バランスの良さを見せた。特にガードナーの個の力に頼らず、周りが得点を重ねた前半のようなオフェンスは、今後に向けて好材料と言える。

また、初戦ではガードナーがほぼフル出場となり今日のパフォーマンスにも少なからず影響があったが、桜木の復帰でインサイド陣がタイムシェアできるようになった。その本当の爆発力が見られるのはこれから。敗れてもなお今後の伸びしろに期待できそうだ。

10月14日のB1 3試合の結果
新潟67-70川崎
三河84-107千葉
名古屋D88-74三遠