文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

相手のミスを誘って速攻を連発、ダンクで勢いに乗る

アジアカップは大会5日目、日本はグループリーグ最終戦で香港と対戦し、92-59で勝利した。

ここまでチャイニーズ・タイペイとオーストラリアに2敗している香港は格下かと思われたが、1勝を得るために立ち上がりから運動量で日本を上回り、積極的なプレーに出た。これで日本は受け身に回ってしまい、開始1分を待たずしてヘッドコーチのフリオ・ラマスがタイムアウトを要求する羽目に。その後も積極性は出るも攻め急いで精度を欠き、なかなか波に乗れない。

それでも香港の時間帯は長くは続かなかった。積極性が裏目に出たのは日本と同様だったが、その後に辛抱できず崩れるのが早かったのが日本との差だった。日本は我慢の序盤を耐えると、相手のミスから速攻を連発して波に乗る。アイラ・ブラウンがブロックショットで奪ったボールを素早く展開し、馬場雄大のダンクが炸裂。

さらに田中大貴がスティールからのワンマン速攻を2連続で決め、23-15で第1クォーターを終えると、第2クォーターのファーストプレーで篠山竜青が身体を張ったスティールから田中へと繋ぎ得点。立ち上がりこそミドルレンジのシュートが高確率で決まった香港だが、流れが悪くなると確率が落ちてくる。日本はこのリバウンドを確実に取っては効率の良い攻撃を展開し、このクォーターを23-9と圧倒して前半を終えた。

22点差でスタートした後半、着実に点差が開いていく展開で少なからず緩んだ部分もあったが、高さの不利がない上にタフショットを決めきる精度もない香港を相手にイージーシュートを打たせず、しっかりと試合をコントロール。攻めでは比江島慎の15点を筆頭に、田中、馬場、小野龍猛、アイラと5人が2桁得点を記録し、92-59で勝利した。

これで日本は2勝1敗でグループリーグを終え、14日からのトーナメントへと進む。