西村文男

千葉ジェッツは石井講祐とアキ・チェンバースがチームを去り、コー・フリッピンと晴山ケビンが加入するなどロスターが大きく変化している。西村文男が新キャプテンになったことも変化の一つ。その西村はパートナーとファンの前で、「変化は衰退の可能性もある」と発言した。相当な覚悟がなければ言えない言葉を口にする西村に、新シーズンを迎える心境を聞いた。

「言葉にすることで飛躍に持って行きたい」

──小野龍猛選手から引き継ぐ形で新キャプテンになりました。正直、驚いたんですが……。

僕もです(笑)。

──これまでにキャプテンを務めた経験はありますか?

(東海)大学4年の時に1度だけ。その時は消去法でした。もっと言うと、仲が良かった同世代の筋肉バカが「俺がやる」と言い出し、「それはない」ということになり、「文男にしよう」となって決まりました。

──すごい流れですね(笑)。大学以来のキャプテンということですが、大役であることに変わりはありません。どのような経緯で引き受けたのでしょうか?

大野(篤史)さんから指名してもらい、いろいろな感情もあったんですけど、今の自分ならあまり迷惑をかけずにやれるんじゃないかと思ったので。それと、違う自分が見れるんじゃないかとも思って、楽しそうとも思いましたね。

──決起会での挨拶で「変化は衰退の可能性もある」と言ったのには驚きました。ファンの前でネガティブな発言はなかなかできないものですが、強い覚悟の表れでしょうか?

そうですね、なかなか大きい変化がありましたし、昨シーズンの成績が成績なので。正直、昨シーズンほどの勝率を挙げられるかと言ったら、そこは分かりません。だからと言って、弱いチームを作るわけでもないですし、昨シーズンよりも強いチームにするという自信もあります。そういう意味では、言葉にすることで飛躍に持って行きたいということです。

──あえて自分にプレッシャーをかけるということですね。

あとは、スポンサーの方がたくさんいて応援してもらっているので、一緒に戦ってほしいという思いも込めました。

西村文男

「俺もしっかりしなきゃな」を引き出す自然体

──9月5日に島根スサノオマジックとの非公開の練習試合で鼻を骨折しました。それでも何とか開幕には間に合いそうですね。

フェイスガードを付けて試合には出るので、見えにくさはあるかもしれないですけど、身体のコンディション自体は下がっていないので、開幕から結果を残していきたいと思っています。

──プレーで引っ張ったり、声を出して引っ張ったりと、いろいろなキャプテンシーがあるかと思いますが、西村選手としてはどのような面でキャプテンらしさを出していきたいですか?

昨シーズン以上に選手を観察しながら、みんなの前での発言を増やしたいなと。これまではすぐに言わずに、限度かなというタイミングでしか言ってこなかったので、もう少し早く自分が気づいたことをみんなに伝えようと思っています。

あとは空気感も大切にしたいです。僕はマイペースで頼り甲斐があるタイプではないので、みんなが「俺もしっかりしなきゃな」と思いながら、一緒に成長してもらえればいいかなって考えています。

──弱々しい姿を見せることで、各々のリーダーシップをうながすということですね。新しいスタイルだと思います。

そうです(笑)。みんなもある程度責任を持った方がいいですし。キャプテンの挨拶の時にも「一緒に成長してくれ」って言いました。あえてそういうところを出しながら、みんなで成長して、頑張っていきます。