「自分を信じて仲間を信じて頑張ることができた」
バスケットボール女子日本代表は、順調に勝ち星を重ねてファイナルへと進出。今夜、中国に勝てばアジアカップ4連覇となる。
ここまでは順調だが、エースの宮澤夕貴にとっては少なからず難しい大会となっている。初戦を体調不良で欠場し、その後の3試合もシュートタッチはなかなか良くならなかった。昨夜の準決勝、オーストラリア戦でも第1クォーターは5本のシュートを放って1本も決められず。前半終了間際に3ポイントシュートを決めるまで初得点が生まれなかった。
それでも後半は持ち直し、6本中5本のシュートを決めて本橋菜子の22得点に次ぐ19得点を記録。「前半ずっと韓国戦みたいに入らなくて、でも後半は自分を信じて仲間を信じて頑張ることができました」と試合後に安堵の笑みを見せた。
入っても入らなくても打ち続けるのが宮澤の仕事であり、強みでもある。「シュートが入らない時は『入らないな』とは思いますが『次は入る』と思っています。でも自分の仕事はシュートだけじゃないので、ディフェンスリバウンドは崩れないように、という思いはあります」
この、シュートの良し悪しに関係ないリバウンドでの貢献も、183cmの宮澤の強み。このオーストラリア戦でオフェンスリバウンド3、ディフェンスリバウンド12というスタッツを残している。
「ディフェンスリバウンドではセンター陣がガードしてくれるので、そこに3人目として加わることができました」と宮澤は言う。髙田真希、渡嘉敷来夢が身体を張って相手の長身選手を押さえ込み、そこにサイズと脚力を兼ね備える宮澤が飛び込むことでリバウンドを確保しては、日本の『走る展開』へと持ち込んだ。
ちなみに渡嘉敷は「個人的にはディフェンスとボックスアウトを頑張れば、他のみんながどうにかしてくれると思っていました。リバウンドでは、『自分がボックスアウトをするから絶対に取りに来て』 と他の選手にも言っていました」と試合後に語っている。その渡嘉敷の献身に、同じJX-ENEOSサンフラワーズで長くプレーする宮澤が応えた形だ。
「フィジカルで負けない、1対1で負けないこと」
宮澤はオフェンスリバウンドにも次々と飛び込んでいく。「アーリーで打つ場面が多かったのでチームメートが打った時には入ろうと思っていました。自分が打った時にも入ってくれるとすごい助かるので、次は自分がやらなきゃという意識でした」と、シューターとしての経験がリバウンドに飛び込む意識へと繋がっている。
「流れが悪い時に我慢して自分たちのプレーに持っていけたのは良かった」とは、試合後に宮澤が語ったチームとしての出来だが、これは宮澤自身にこそ当てはまる。調子が上がらない時も、その時に自分にできることで貢献し、我慢したことで良い流れを呼び込んだ。
大会を通して見ても、プレーできなかった初戦からスタートし、宮澤は苦しみながらも調子を上げている。今夜、ファイナルの中国戦に向けて「フィジカルで負けない、1対1で負けないこと。ディナイとかも入ってタイトなディフェンスをしてくるので、そこに一人ひとりが負けずに立ち向かって自分のシュートを打つことがカギになる」と宮澤は語る。
オーストラリア戦ではチームメートが流れを作り、宮澤はその流れに乗って一気に勝利を引き寄せた。今夜の決勝ではシュートでもリバウンドでも、自ら流れを作る働きに期待したい。
?? @5__MIYAZAWA (19p) & @nako_motohashi(22p) were simply UNSTOPPABLE in the Semi-Final ? @basketballaus #FIBAAsiaCupWomen pic.twitter.com/3Zu9RBRDOY
— FIBA (@FIBA) September 28, 2019