0-11とビハインドからのスタートを強いられた日本
7月29日、男子日本代表はウルグアイを迎えての国際強化試合を行った。対戦したウルグアイはFIBAランキング26位と日本よりも格上の相手。日本は軽率なミスが多く、終始追いかける展開が続いて69-79で敗れた。
日本の先発は富樫勇樹、比江島慎、竹内公輔、田中大貴、アイラ・ブラウンの5人。このファーストユニットが立ち上がりから崩れ、大きなビハインドを背負ってしまう。簡単なパスミスを連続で犯し、良いリズムが作れずシュートは外れ続けた。ディフェンスでも体格に勝るウルグアイに対しインサイドを警戒したところ、フリーにしてしまったアウトサイドからのシュートを確率良く決められ、開始わずか3分で0-11と大きく離された。
富樫の3ポイントシュートが決まり持ち直すも、今度はウルグアイ初のNBA選手、206cmのエステバン・バチスタの強力インサイドプレーを止められず、第1クォーターを14-25で終えた。
だが第2クォーターに入って足が動き出し、ボールマンへのプレッシャーを強めると、次第に日本が盛り返していく。ここまでリングへのアタックが少なく、外でパスが回るだけのオフェンスとなっていたが、ドライブからパスアウトしての組み立てが増え始めた。張本天傑のアタックから古川孝敏の3ポイントシュート、富樫のドライブからアイラ・ブラウンのゴール下などが生まれ3点差まで詰め寄る。ノーマークの3ポイントシュートやフリースローを決めきれず同点のチャンスを逃すも38-40と1ポゼッション差まで盛り返し、後半に期待を持たせた。
個々が持ち味を発揮するもチームとしてミスが出る
ところが後半に入ると、ウルグアイのエース、ブルーノ・フィッティパルドにバックビハインドパスからのアシストや、得意の3ポイントシュートを沈められ再び突き放される。篠山竜青を筆頭に、激しいディフェンスで我慢の時間帯を乗り切ると、比江島のバスケット・カウントなどで反撃する日本だが、またしてもターンオーバーがかさみ、追い付くことができない。
53-58で迎えた最終クォーターにも日本は大事な場面でターンオーバーを犯し、自ら追いつくチャンスを逸する。ディフェンスが機能しアウトナンバーの状況を作るも、パス交換をミス。馬場雄大がダンクシュートをリングに当てて外すなど、精度に課題があった。
日本のミスだけでなく、ウルグアイの力もはっきりと感じられた。残り2分20秒、田中大貴のパスカットから速攻が決まり65-70と詰め寄るも、ここぞという場面でバチスタのインサイド、ブルーノの3ポイントシュートが決まり、ウルグアイの優位は動かない。試合を通じてバチスタは日本が最も分厚く守るペイントを強引にこじ開けてゲームハイの21得点を挙げた。
結局、日本は善戦したものの一度もリードを奪うことなく69-79で敗れた。
13得点の比江島「もっと何かできたんじゃないか」
指揮官のフリオ・ラマスは「最初に点差が開き、我々も慌ててリズムを崩してしまった」と出だしの悪さを悔やんだ。また「ターンオーバーが予想以上に多く、シュート成功率も低かった」と27.3%の3ポイントシュート(22本中6本)63.6%(33本中21本)のフリースロー、15ターンオーバーを敗因に挙げた。それでも「今日負けたことでアジアカップに向けての課題に気づくことができた。こういう試合がプラスになる」と前向きな言葉を発した。
富樫は「先発のポイントガードだったので責任がある」と出だしの悪さを受け止めた。「パスがよく回るバスケを少しの時間できたけど、まだまだ足りない」と反省。「負けてしまったことは残念ですが、まだ監督が来て新しいスタイルが始まったばかり。ポイントガードとして監督の求めてるバスケットを理解していきたい」と話した。
苦しみながらもチームハイ(タイ)となる13点を挙げた比江島は「もっと何かできたんじゃないか」と後悔を口にした。「パスが回っていない状況でもっとドライブしたり、周りを生かしたい」と明日への抱負を述べた。
軽率なターンオーバーと低調なシュート精度が響き、ウルグアイに敗北した日本。ラマスコーチが言うように、今日の敗戦をプラスに変え、明日の第2戦ではまた違った姿を見せてほしい。