文=鈴木健一郎 写真=小永吉陽子、FIBA.com

快調な立ち上がりも指揮官トム・ホーバスの檄が飛ぶ

バンガロール(インド)でのアジアカップが開幕した。3連覇を目指す女子日本代表の初戦はフィリピンが相手。トム・ホーバスが率いるAKATSUKI FIVEは出だしから攻守に高いパフォーマンスを披露した。

吉田亜沙美、近藤楓、長岡萌映子、宮澤夕貴、大﨑佑圭とリオ五輪を経験した5人が先発し、いきなり9-0のランで主導権を握る。前からプレッシャーをかけるディフェンスが機能したことで、フィリピンはボールを前に運ぶことにも苦労する。攻撃も大﨑佑圭がポストプレーからゴール下で得点する『基本の形』をきっちり作った。

早々にセカンドユニットに切り替え、ややペースが落ちた残り1分42秒、21-10と2桁のリードがあるにもかかわらずホーバスヘッドコーチはタイムアウトを取り、「何をしているんだ、ちゃんとやろう!」と檄を飛ばした。若手中心のセカンドユニットにこれで火が付く。藤岡麻菜美から町田瑠唯とつなぐ2ガードの速攻が決まり、センターの赤穂さくらも走って得点。守備では相手の24秒バイオレーションを誘い、ビシッと引き締めて第1クォーターを25-11で終えた。

第2クォーターは吉田をベンチに温存しつつもレベルの高い攻守を展開。内と外のバランスが良い攻めからはファストブレイクがしばしば飛び出す。フィリピンのジェンマ・ミランダに強引な3ポイントシュートを連続で決められ38-27と迫られるが、ここでタイムアウトを取った日本が再びスパートをかけて、第2クォーター終了までの約6分半で18-4のランで突き放した。

控え中心のメンバーでも「堅守から走る」バスケットが機能

前半終えて21アシスト。いかにボールがよく回り、効果的にシュートまで持ち込んでいたかが分かる。またファストブレイクポイントは16。こちらも日本の「堅守から走る」バスケットが機能していたことの表れだ。

第3クォーターにこの数字はさらに伸び、アシストは33、ファストブレイクポイントは22に。先発の5人がほぼプレーしなかった第3クォーター、赤穂と河村美幸がインサイドで強さを発揮、馬瓜エブリンは1on1からの得点を何度も決め、藤岡は力強いボールプッシュからセカンドユニットを操った。

最終スコア106-55の完全勝利。優勝候補の日本にとってはFIBAランク49位フィリピンに勝つのは当然と言えば当然だが、リオを経験していない若手がこの舞台でも臆することなく個々の持ち味を発揮し、チームとしても一つにまとまっていたことは大きな収穫だ。