
487日ぶりの復帰戦で勝負強さを発揮
ペイサーズのエースガードであるタイリース・ハリバートンが、ペリカンズとの開幕戦で待望の実戦復帰を果たした。2025年6月のNBAファイナル第7戦で右アキレス腱を断裂してから487日ぶりとなった公式戦で、34分間の出場で23得点12アシストのダブル・ダブルを記録し、チームを120-117での逆転勝利へと導いた。
長期間にわたるリハビリを経て迎えた復帰戦で、ハリバートンは試合終盤にエースとしての真価を発揮した。第3クォーター終了時点で86-92と劣勢だったが、第4クォーター残り1分半にはリードを3点に広げるバスケット・カウントを決めるなど、このクォーターだけで16得点と猛チャージ。自らのドライブや3ポイントシュートに加え、司令塔として巧みにオフェンスをコントロールして逆転劇を完結させた。
試合後のフラッシュインタビュー時に、アウェーの地に駆けつけたペイサーズファンの姿を目にしたハリバートンは、涙を流した。「金曜日のホーム開幕戦までは感情的にならないと思っていたが、あの結末と瞬間に感極まってしまった。長い感情のジェットコースターだった。ニューオーリンズに集まってくれた多くのペイサーズファンを見たことが、何よりも特別な感情をもたらしてくれた」と復帰の喜びを語った。
エースが不在となり、大黒柱も移籍した昨シーズンのペイサーズは19勝63敗と、前シーズンにNBAファイナルまで駆け上がったチームとはまったく別の姿に。ハリバートンはシーズンを通してチームが負けていくことだけでなく、批判される姿を目の当たりにすることが苦痛だったと語る。
「特に昨シーズンは、チームが苦戦しているのを何もできずに見ているしかなかった。本当に辛い時期で、あんな経験は初めてだった。解説の多くは『タイリースが戻ってきたら……タイリースがいなくて寂しい』というコメントばかりだ。他の選手たちも大変な思いをしていて彼らにとっても辛かったはずなのに……。そしてチーム全体でこの問題に取り組んでいたことを『僕だけの責任だ』と言われてきたことに苛立ちを感じていた」
精神的にも失意のどん底にいたハリバートンは、今年の2月に重度の帯状疱疹を患った。激しい腫れや、神経痛、眉毛の脱毛、眼の異常、体重減少と様々な症状を引き起こして復帰を困難なモノにした。しかし、そんな彼の支えとなった人物が2人いるという。一人はハリバートンが大ファンというアメリカ大手プロレスの『WWE』のレジェンドであるトリプルHで、彼自身もハムストリング断裂の大ケガから復帰した経験があり、それが支えとなったと言う。
そしてもう一人は、ハリバートンと同じくアキレス腱断裂からの復帰経験を持つペリカンズのデジョンテ・マレーであることを明かした。第7戦での負傷後、マレーと常に連絡を取り合い、回復方法についてアドバイスを受けていたというハリバートンは今回の試合中にも会話を交わしたと言う。「彼に『おい、息が戻るまでどれくらいかかるんだ?』って聞いたら、『時間がかかるよ、相棒。前向きに考えろ。大丈夫だ』って言ってくれたんだ。兄貴分とかそういう風には言いたくないけど、彼は間違いなく兄弟だよ。NBAには仲間意識があって、アキレス腱の件で僕たちの絆がさらに深まったんだ」
支えとなったのはこの2人だけでなく、家族の支えもあったと言う。そしてハリバートンは復帰までの道のりを振り返り、あらためて自分の原点と向き合う大切さを口にした。
「自分が粘り強く努力してきたことは分かっている。僕にとって一番大切なのは、自分が簡単にNBA入りできるような五つ星選手ではなかったことを理解することなんだ。ここ数年は、自分が特別扱いされてきたせいで、そう見えたかもしないけど、僕にとっては、まさに『ゼロからのスタート』だ。人々は僕が戻ってきた事で、これまで以上に活躍すると思っているはず。僕は今までも毎日、それを自分自身に証明しようと努力してきた。だから原点に立ち返ることは、自分にとってある意味で楽しいことでもあるね」
白星スタートを切ったペイサーズは現地10月23日に、マーベリックスとのホーム開幕戦に臨む。
Tyrese Haliburton broke down during his postgame interview with Jeremiah Johnson 🥹 So good to have you back, 0 💙 https://t.co/w0py2seq2C
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