デ・ラファエレHC「今日のプレーこそが正しいやり方」

10月19日、宇都宮ブレックスはホームで行われた群馬クレインサンダーズ戦を83-80で制し、連敗を2でストップ。同地区の強豪チーム相手に価値ある勝利をあげた。

宇都宮は試合の出だしから群馬のフィジカルの強さを生かしたペイントアタックと、活発なボールムーブに対応しきれず、16-27で第1クォーターを終える。しかし、ここから本来のプレー強度を取り戻して守備の立て直しに成功。群馬にタフショットを次々と強いることで流れを引き寄せた。

こうして徐々に追い上げていった宇都宮は、第4クォーター残り8分半に遠藤祐亮の3ポイントシュートで61-60と逆転に成功し、第1クォーター中盤以来のリードを奪う。その後は、群馬も意地を見せて一進一退の攻防が続くが、宇都宮はここ一番でのオフェンスリバウンド奪取など球際の強さで相手を上回ることで、拮抗した試合展開になっても集中力を切らさず、ファウルゲームを制して勝ち切った。

宇都宮のウォルター・デ・ラファエレヘッドコーチは、勝利という結果とともにプレーの内容にも大きな手応えを得たと振り返る。「もし負けたとしても、今日のプレーこそが正しいやり方という内容でした。この戦い方こそが、ファンの皆さんから誇りに思ってもらえ、チームの誰もが活躍できる戦い方です」

そして残り13秒2点リードの場面でフリースロー失敗の後、勝利を大きく手繰り寄せた高島紳司のオフェンスリバウンドに言及し、選手たちのハードワークを称えた。「紳司が最後のオフェンスリバウンドをとったのは勝利のカギとなりました。どんな小さなことでも身を粉にしてプレーすることで道は開けます。これこそが私たちの目指す姿です。だからこそ今夜は負けたとしても、40分間戦い続けた姿勢を考慮すると良い試合でした」

この宇都宮らしい泥臭いプレーを最も体現したのが、この日37歳の誕生日を迎えた遠藤だった。敗れた前の試合の仙台89ERS戦では出場機会を得られなかった遠藤だが、この日は8分38秒間プレーし、第4クォーターには貴重な3ポイントシュートを決めるなど攻守で確かな爪痕を残した。

「相手のリズムでスタートしてしまいましたが、以前までの試合では足りなかったエナジーを出して最後まで戦い抜けました。その結果、競った試合を勝ち切れたのはチームとして自信になったと思います」

明日の名古屋D戦「昨シーズンの借りを返さないといけない」

このように試合を総括した遠藤は、昨シーズン平均17分15秒のプレータイムだったのが、ここまで平均9分4秒とと出番は激減。今シーズンで在籍15年目となる宇都宮一筋の遠藤は、長らく主力を務めており、いつ試合に出るのかわからない今の起用法にアジャストするのは難しいはずだ。

だが、常に自分に矛先を向け、与えられた環境でベストのパフォーマンスを出すことに集中している。「仙台との試合に出られなかったり、自分の中でも悔しい思いがあるシーズンの始まりとなっています。ただ、今思えば1試合3分とか4分の出番の中でも、もっとできることがあったはずです。今の状況は試合でどれくらい出られるのかわからず、もしかしたら1分だけかもしれないです。だからこそ最初から100%を出す気持ちで臨んでいます」

「最初は、前の試合に出ていなかったことで、シュートを打とうという気持ちが強くなりすぎて力が入ってしまい精度が良くありませんでした。ただ後半にチャンスをもらえた時は、積極性を忘れずシュートを決め切ることでチームの悪い流れを断ち切りたい思いでした。今日は自分が出ている時に、少しは良い流れになったと思うので、これを継続していく。オン・ザ・コート4を使う中、自分が生き残っていくためには、本当にワンポゼッションごとに全力でやるしかないです」

今のブレックスは、デ・ラファエレヘッドコーチの下で、これまでにない新たなスタイルを取り入れる変革の時を迎えている。当然、チームに浸透していくには時間がかかるものだが、遠藤は「目の前の試合に勝っていかないと、プレーオフを狙える位置にいることができなくなってしまいます」と勝率5割の現状に危機感を募らせる。

だからこそ、「今日、同じ地区の上位にいる群馬さんに勝てたことは大きいです」と続け、巻き返しのために自分たちがやるべき事を次のように見ている。「ホームの声援の後押しのおかげでもありますが、前の試合とエナジーは全く違い、みんながチームのために100%をやる姿勢が出ていました。これまで積み上げてきたブレックスの良さと、ヘッドコーチのもたらす新しいカルチャーが融合することでより成長していけます。ディフェンス、リバウンド、ルーズボールというブレックスらしさはブレずに、オフェンスはコーチの言う通りにやっていけばいいと思います」

明日の相手は、昨シーズンのチャンピオンシップで敗れた名古屋ダイヤモンドドルフィンズだ。当時とはともに指揮官も変わっているが、遠藤は「昨シーズン悔しい思いをしたチームで、その借りを返さないといけない気持ちは個人的に持っています」とリベンジへの思いを語る。

また、群馬に続き、ここまで無敗の名古屋Dを撃破できればチームはより大きな自信を得られることは間違いない。名古屋D戦は宇都宮にとってシーズン序盤の悪い流れを一気に払拭できる、ターニングポイントとなる。そして遠藤にとっては、健在ぶりを指揮官にアピールする絶好の機会となるはずだ。