ベン・シモンズ

非公開ワークアウトと検診を経てキングスが獲得を決断

キングスはベン・シモンズと1年350万ドル(約5億2000万円)で契約に合意した。

シモンズは2016年のNBAドラフト全体1位指名選手。オールラウンドな能力を持つ大型ポイントガードとして脚光を浴び、3度のオールスター選出とともに『NBAの次世代を担う若手』と見なされた。ガードからセンターまで守れるサイズと運動能力、速いペースを作り出す中での創造性溢れるアシストなど、シモンズのプレーには底知れない可能性があった。

しかし、フロントやファンと対立してセブンティシクサーズを去った2021年からは、ネッツとクリッパーズを渡り歩くことに。その間は膝と腰のケガで本来のパフォーマンスからはほど遠いプレーしかできず、周囲の期待を裏切り続けてきた。

昨シーズンのシモンズはどこのクラブとも契約せずに身体の回復に専念し、今は健康をアピールしている。ウォリアーズがトレーニングキャンプに招待するとの噂があり、その一方でキングスはシモンズ獲得を見送るとの情報が流れていた。それでもキングスは非公開ワークアウトとメディカルチェック、指揮官ダグ・クリスティとの面談と慎重に慎重を重ねた検討を経て、シモンズの獲得を決断した。

キングスはラッセル・ウェストブルックが現役引退、デマー・デローザンも退団してチームを作り直す段階にある。ポイントガードで先発が予想されるのは、1巡目7位で指名したルーキーのダリアス・エイカフJr.で、幅広いシュートレンジを持ち味とする一方でディフェンスは苦手。その反対のタイプであるシモンズが健康であれば、ルーキーと再起を目指すベテランが入れ替わりながら、異なるスタイルのプレーメークでキングスを引っ張ることになる。

ケガ続きでブランクのあるシモンズは計算できる戦力とは言えないが、ベテラン最低保証額での契約のためリスクは小さい。まだ30歳になったばかりで、本当にケガの問題を解消してかつてのパフォーマンスを取り戻せば、キングスにとっては大きなリターンが得られる。

ルーキー契約を延長した際には5年1億7700万ドル(約270億円)の大型契約を手にしたシモンズだが、メンタルの問題を抱えてシクサーズと対立した時には多額の罰金を支払いながら欠場を続けて、最終的には追い出されるような形でネッツに放出された。この契約が満了を迎えた2024年にはクリッパーズとベテラン最低保証額の契約を結び、昨シーズンは契約のないまま全休。今回またベテラン最低保証額での契約を余儀なくされている。

ただ、シモンズにとってはもはや金額の問題ではない。不名誉なレッテルを返上してNBAプレーヤーとしての自分の価値を証明できるかどうかの戦いとなる。