セルティックスの『ビッグ3』にエスコートされて登場

現地8月15日、ドック・リバースがネイスミス・バスケットボール殿堂入りを果たした。マジック、セルティックス、クリッパーズ、セブンティシクサーズ、バックスを率いての通算1194勝(866敗)はNBA歴代6位、プレーオフでの通算114勝は歴代4位を誇る。1999-00シーズンにマジックでコーチ・オブ・ザ・イヤーを、2007-08シーズンにはセルティックスでNBA優勝を果たした。

2008年の優勝メンバーであるケビン・ガーネットポール・ピアースレイ・アレンの3人にエスコートされて壇上に立ったドックは、「すでに声が枯れているよ。これは私の本当の声じゃないんだ。コーチという仕事が私の声を奪った。昔はもっと高い声で、歌も上手かったのに」と会場を笑わせた。

家族から始まり、多くの人への感謝を語る中で、セルティックスの『ビッグ3』には格別な思いを語った。「君たちが素晴らしかったのは、私に君たちをコーチさせてくれたことだ。個性的な連中をまとめるには君たちの助けが必要だった」

「コーチ、フロント、選手の全員が一つになった時に驚くべきことが起きる。我々はそれを成し遂げたんだ。ここにいる3人を見ていて思うのは、我々は同じ血を分け合ったようなもので、その絆は一生続くということだ」

ドックは指導者としての恩人にも触れた。高校時代の恩師ジョージ・レイブリングの「バスケットボールを使いこなせ。バスケットボールに使われるな」という言葉、そして現役時代にニックスを率いていたパット・ライリーとの激しい口論を彼は思い出す。

「選手キャリアで一番の口論だった。ジェフ・ヴァン・ガンディはドアの外で聞き耳を立て、家具を投げ合う音がしたら飛び込もうとしていたらしい(笑)。コーチは『いつかお前がヘッドコーチになった時、お前は必ずそうなるんだが、私の言っている意味が理解できるはずだ』と言った。私は『コーチなんて絶対にやらない。全員例外なく変人じゃないか!』と言い返したが、今なら分かるよ。彼が教えてくれたのは、『選手を今の姿で判断するな。選手が将来あるべき姿をイメージし、そうなれるよう背中を押せ』だった。私にとって非常に大事な教訓だ」

そしてドックは「誰一人として、自分だけの力でここには立てない」と感慨深い表情を見せた。「コーチングは仲間との共同作業だ。私を雇ってくれたすべてのオーナー、支えてくれたスタッフには感謝しかない。一緒にやれて良かった。コーチはみんな共感してくれると思うが、自分がロッカールームを出た後も、自分の話していたことが語られている。それがコーチをやっていて最高の瞬間だ」

ドックは昨シーズン終了時点でバックスに退団を申し入れた。正式に発表してはいないが、「いつになったら人生を楽しむ時期が来るのかと思っていたが、そろそろその時が来たと思う」という表現で、コーチ業を引退する意向を表明している。

1999年に下積みのないままマジックのヘッドコーチとなり、1年目にコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞してから、彼はほぼ休むことなく5球団を指揮してきた。勝つ時も負ける時もあったが、どのクラブでも信頼され、長期政権を築いてきたところにドックの真骨頂がある。彼は身を引いても、NBAのあちこちのロッカールームで、彼の話していたことは語り継がれていくはずだ。