ケビン・ガーネット

長期にわたる確執が噂されていたガーネットとアレンが抱擁

現地3月13日、セルティックスの本拠地TDガーデンで行われたマーベリックス戦で、元セルティックスのケビン・ガーネットの永久欠番式典が執り行われた。

2007-08シーズンから2013年までセルティックスに在籍したガーネットは、ポール・ピアース、レイ・アレンとの『ビッグ3』で優勝1回、NBAファイナル進出2回という功績に大きく貢献した。

『背番号5』の永久欠番を称える式典で盛り上がりが最高潮に達したのは、ガーネットがおもむろにかつての仲間の名前を呼んだ瞬間だった。

「レイ・アレンの顔が見られて本当にうれしい。本当にうれしいんだ。ベイビー、よく来てくれたね」

式典に参加していたアレンは、ガーネットの言葉を受けて立ち上がり、コートの中央でガッチリ抱擁。そこにピアースも割って入り、かつての『ビッグ3』が久々に同じフレームに収まった。

この光景が特別と思われた理由は、2012年オフの移籍にまで遡る。2011-12シーズンまでセルティックスに在籍したアレンだったが、2012年のオフにフリーエージェントの権利を行使して当時最大のライバルだったヒートに移籍し、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュに合流した。この移籍により、セルティックス時代のチームメートとの関係は著しく悪化。特にガーネットの怒りは引退後も収まらず、自身がホストを務めた番組で2008年のセルティックス優勝メンバーを集める企画を行なった際もアレンを呼ばなかったほどで、関係修復のきっかけすらつかめていないと思われていた。

しかし、時間の経過とともにガーネットの心境にも徐々に変化が見られ、2人は公の場で関係が修復されたことを世間に示した。

当のアレンは、式典前に『NBC Sports Boston』のインタビューに応じ「ビーフ(軋轢)なんて存在していなかった」と語っていた。「セルティックスを離れた時、僕は自分が向かう方向性を楽しみにしていた。それに、元チームメートのことがずっと大好きだった。僕にとっては2008年だけじゃなくて、2009年も2010年も大切な思い出。この会場では素晴らしい思い出ばかり。移動の飛行機でも最高の時間を過ごせた。あの当時の5年間は、僕の人生の中でも最高の時間だった」

いずれにしても晴れて『雪解け』した2人の関係は、セルティックスファン、もっと言えば世界中のバスケットボールファンにとってうれしいニュースだったに違いない。今後は、ガーネットとアレンが同じ空間で昔話に花を咲かせる場面が見られるのではないだろうか。