「一つひとつのプレーを通して信頼を得られるように」
女子日本代表は6月中旬から第2次強化合宿をスタートし、昨日までオーストラリア遠征を行い、9月の『女子ワールドカップ2026』に向けて強化を進めている。
コーリー・ゲインズヘッドコーチは基本とする『ペース&スペース』のスタイルに加え、新たなオプションも今回の合宿で取り入れたという。ゲインズ体制が始まって約1年半が経ち、日本は新しいチームを作る段階から完成度を高めるフェーズへと移りつつある。
朝比奈あずさもその変化を肌で感じているが、全部が変わったわけではないという。「コーリーのバスケットになってから大分時間が経ってきて、自分の中でやるべきことがすごくクリアになった中で合宿ができています。やりやすいというか、自分がやるべきことが明確になっているので、そこが大きいですね。ベースがガラッと変わったというより、そのベースがある中で、より良くしていくためのルールが追加されている感じです。今までエラーが起きていた部分をコーチ陣が整理して、新しくチームに落とし込んでくれています」
もちろん、新しい取り組みだけに戸惑いもある。それでも、そこには選手とコーチが一緒にチームを作り上げる空気があるという。「今までやったことがないこともあって混乱することはあります。でも、選手の意見もしっかり聞いてくれますし、『こう思う』ということも伝えられるので、それが問題になることはないです。新しいチャレンジがすごくあって、私は楽しいですね」
朝比奈は5月中旬に行われたラトビアとの国際強化試合に出場し、2試合平均約16分のプレータイムで9.0得点、3.0リバウンド、1.5アシスト、1.0スティールを記録と結果を残した。渡嘉敷来夢に次ぐ185cmの高さと柔らかなシュートタッチを併せ持つ朝比奈は、世界と戦う上で欠かせない日本の戦力と言える。朝比奈も自身の置かれている立ち位置を理解している。
「今回は絶対に選ばれなきゃいけない立場だと自分では思っています。でも、それに縛られて自分らしくプレーできなくなるのは違うとも思っています。ワールドカップを通して成長したいという気持ちがすごく強いので、まずは合宿で一つひとつのプレーを通して信頼を得られるように、自分のできることをアピールしていきたいです」
アウトサイドシュートを武器に日本でも希少な『ストレッチビッグ』として存在感を示している朝比奈だが、世界ではそれだけでは戦えないことも分かっている。ワールドカップ予選トーナメントでは世界の高さと速さに翻弄された。朝比奈も課題にディフェンスを挙げた。
「Wリーグもレベルが高いと思っていますが、代表で対戦する相手は全然違います。速いし、大きいし、手足も長い。そういう海外のオールラウンドな選手を常にイメージして練習していないと、試合になった時に受け身になって自分がやってきたことを出せなくなってしまう。ビッグマンもガードを守る場面があって、自分がずっとインサイドだけを守るわけではないので、そういう相手にも対応できるようにしていきたいです」
3ポイントシュートを決めるビッグマンとして高い評価を受ける朝比奈だが、本人が目指しているのは世界基準で守れるビッグマンの姿だ。渡嘉敷や髙田真希といった頼れるベテランと共闘できる時間もそう長くない。彼女たちに続く日本の大黒柱となるため、朝比奈は戦い続ける。
