日本のスタイルは「本当にガード陣にかかっている」
『FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026』まで2カ月強。女子日本代表は連動したチームオフェンスから高確率で3ポイントシュートを射抜き、運動量で相手を上回る『ペース&スペース』を軸に世界へと挑む。
当然ながら全選手がシステムを理解し、体現する必要があるが、特にガード陣に求められる仕事は多い。先発ガードを任されている田中こころは「ガードがもっとボールを前に飛ばしたり、積極的にボールプッシュすることで、自分たちの速いバスケが生きる」と、『ペース』について言及した。
コーリー・ゲインズヘッドコーチはこれまでのシステムに加え、世界的に見直されている2ポイントシュートの重要性を理解し、新たなアクションを取り入れたという。ハーフコートオフェンスでこの2ポイントシュートを生み出すのもガードの役割の一つだ。特にビッグマンとのピック&ロールからイージーシュートを増やすことができれば、オフェンス力の底上げに繋がる。
強化合宿の全体練習終了後のシューティング時には田中と渡嘉敷来夢が話をしながら、連携を確認している場面が見られた。本来であれば練習中の合わなかったタイミングで話し合って解決するため、練習後に動きの確認をすることは珍しいらしいが「渡嘉敷選手とは何度も合わせていかないといけないと思っていたので、2人でやろうということになりました。よく使うピックからの自分のシュートだったり、タクさん(渡嘉敷)のシュートを練習していました」と田中は言う。
トランジションを操りつつ、ハーフコートバスケットでは攻めの中心となるため、田中も「本当にガード陣にかかっていると思います」と責任感を滲ませる。ENEOSサンフラワーズでの田中は引退した宮崎早織の2番手だったこともあり、平均20.5分のプレータイムで5.7得点、2.0リバウンド、2.5アシストと突出した数字は残していない。ただ、代表では持ち前の得点力を遺憾なく発揮し、『FIBA女子アジアカップ2025』では平均14.8得点、5.5アシストを挙げ、『FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026予選トーナメント』でも10.8得点、3.4アシストを記録と、スコアリングガードとして結果を残している。それでも田中は「他の選手が乗っていない時に自我を出して、もっと積極的に自分が得点を取りに行く」と、より得点に特化することでチームに貢献したいと語った。
「ゲームメークより、自分が得点を取りに行くことで日本のペースに持っていく。そこから周りの選手を生かせれば必然的に良いスピード感で、日本らしいバスケットができると思っています。特にコーリーのバスケットはガードがボールを触ることが多いので、ボールを持っている分、もっと得点を狙いに行くことが大事なのかなと思うようになりました」
ワールドカップ予選トーナメントは「初戦からちょっとダメダメで、なかなか日本らしいプレーができなかった」と苦笑いを浮かべたが、それでも本戦出場の切符を勝ち取った。だからこそ田中は「初戦から日本らしい速いバスケットを40分間続けたい」と本番に向けて意気込んだ。その『日本らしさ』を体現するには、田中がスコアリングマシーンと化す必要がある。
