シクサーズは『不良債権』を整理、『ビッグ4』体制へ
セルティックスがジェイレン・ブラウンをセブンティシクサーズへ放出するトレードを決めた。見返りとしてポール・ジョージ、2028年と2031年のドラフト1巡目指名権、2028年と2030年の2巡目指名権を獲得する。
ブラウンはセルティックスで10シーズンを過ごした生え抜き。今シーズンはジェイソン・テイタムが終盤まで不在という状況でチームを牽引し、キャリアハイの28.7得点とエースの重責を全うした。
そのブラウンのこのタイミングでの放出は不可解だが、ヤニス・アデトクンボ獲得の交渉でトレード要員となっていることが明らかになり、ヤニスの移籍先がヒートに決まった後も、ブラウンは放出候補であり続けた。おそらく、放出候補にされたことにブラウンは怒り、フロントとの関係が悪化。発言力の大きいブラウンが不満を抱えたまま残留することをリスクだと判断したフロントが、兎にも角にもトレード交渉をまとめたと想像できる。
また2024年のNBA優勝以降、サラリーキャップの制約でドリュー・ホリデーとクリスタプス・ポルジンギス、アル・ホーフォード、ルーク・コーネットを次々に手放さざるを得なかったセルティックスの台所事情がある。ブラウンは5年2億8500万ドル(約430億円)のスーパーマックス契約の2年目を終えたところで、まだまだ大きな契約を残していたが、今回のトレードでジョージの残り2年の契約に置き換わる。
シクサーズは2024年オフの時点で獲得できる最高の選手としてジョージを迎え入れたが、この2シーズンはケガ続きで78試合にしか出場できず、さらに今シーズンには精神的な不調に対する治療で処方薬を誤り、ドーピング違反で25試合の長期出場停止処分を受けた。ただでさえジョエル・エンビードが膝に爆弾を抱えている状況で、ジョージがコンスタントにプレーできないのは致命的で、高額年俸でもあるために『不良債権』と化していた。ジョージの契約が残る間にエンビードが老い、タイリース・マクシーやVJ・エッジコムも勝利の経験を積めないのは非常に苦しい。その状況を変えるために、ドラフト資産を投げ打って補強に動いた。
ブラウンはジョージより6歳年下で、この10年で674試合(プレーオフを含めれば816試合)に出場している『鉄人』であり、マクシーやエッジコムを引っ張る精神的なリーダーになれる。レギュラーシーズンはエンビードに無理をさせず、シーズンの勝負どころで『ビッグ4』の真価を発揮させるのが理想のシナリオだ。
ダリル・モーリーを解任して、キャバリアーズから引き抜いたマイク・ガンジーを新たな球団社長に据えたことで、シクサーズはダイナミックに変化しようとしている。ガンジーは古巣のキャブズからディーン・ウェイドを獲得し、ニックスの控えセンターだったアリエル・フクポルティも獲得。長らく充実した戦力を揃えながらも結果を出せなかったシクサーズは、大きく変わろうとしている。
