サンズは虎の子の1巡目指名権を手放して勝負に出る
ホーネッツがマイルズ・ブリッジズを放出した。ホーネッツはサンズにブリッジズと2029年の1巡目指名権、2027年の2巡目指名権を譲渡し、代わりにグレイソン・アレンとロイス・オニール、2033年の1巡目指名権を得る。
ブリッジズは2018年にホーネッツに加わり、7シーズンで501試合出場と(コート外の問題で全休した2022-23シーズンを除けば)コンスタントに主力としての働きを見せたが、ただの一度もプレーオフ進出は果たせず。ホーネッツは先日、エースのラメロ・ボールを放出。これに伴い、ラメロの良き『相棒』だったブリッジズもチームでの役割を終えた。
再建に舵を切る以上、契約が残り1年となったブリッジズの契約延長をホーネッツは望まない。トレードで獲得したオニールは33歳、アレンは30歳で再建のタイムラインに合わないものの、オニールの2年2200万ドル(約33億円)、アレンの2年3700万ドル(約56億円)という残り契約を引き受けることで、1巡目指名権のグレードアップに成功した。今回手放した2029年の1巡目指名権は、『ジャズ、キャブズ、ティンバーウルブズの3チームのうち最も指名順位の低いもの』だが、サンズから得る2033年の1巡目指名権にはプロテクトが掛かっておらず、その価値は高い。
ラメロとブリッジズはファンのお気に入りで、昨シーズンのホーネッツには可能性が感じられただけに、解体という選択への反発は少なくない。それでも新シーズンのホーネッツは26歳のコービー・ホワイトとナズ・リード、24歳のムサ・ディアバテに23歳のブランドン・ミラー、そして20歳のコン・クヌッペルという伸び盛りの選手が中心となり、再建とはいえ『ボトム3』には入らないであろう見通しが立つ。
サラリーキャップには大きな空きがあり、トレード例外条項もある。NBAドラフトでは1巡目14位でハネス・シュタインバッハ、18位でクリスチャン・アンダーソンと素材型のルーキー2人を指名。ジェフ・ピーターソンGMは「ここまで戦略的にかき集めた資産を上手く活用しつつ、短期的にも長期的にもチームを強化する方法すべてを検討していく」と、ホーネッツの補強がまだまだ続くことを示唆している。
サンズにとってブリッジズの補強は、攻守に身体を張ってペイントエリアでの得点が期待できる先発パワーフォワードの獲得となる。3ポイントシュートは他の選手で補う必要が出てくるが、サラリーを大幅に圧縮しつつ戦力を維持することができた。昨シーズンのサンズを成功に導いた『ハードワーク』の文化に合った選手でもある。
エース級ではないブリッジズの獲得に虎の子の1巡目指名権を簡単に手放した批判は免れない。オーナーであるマット・イシビア、ブライアン・グレゴリーGMはともにミシガン州立大バスケ部の出身で、同大OBのブリッジズの獲得は『コネ採用』との批判もある。
しかし、ミシガン州立大のコーチングスタッフ出身のジョーダン・オットをヘッドコーチに指名した1年前には、オットにNBAでのヘッドコーチ経験がないこともあって批判の嵐が吹き荒れたが、デビン・ブッカーを中心としつつスター選手の個人能力に頼らず、ロスター全体の能力を引き出すことでオットは批判を黙らせた。
ブリッジズはオットに続き、「コネ採用」という批判をハードワークで払拭するチャレンジに挑む。ホーネッツは数年がかりの再建だが、サンズにとっては勝負の補強。批判覚悟の補強で、躍進した昨シーズンから一層の成長を目指す。
