「ペイントタッチなどでガードが起点にならないといけない」
6月21日、女子日本代表の『FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026』 第2次強化合宿のメディアデーが行われた。9月頭の本大会開幕までまだ2ヵ月以上あるが、合宿に参加したのはコンディション不良で不参加となった町田瑠唯を除く15名。同時期に行われるアジア競技大会に向けたチーム作りも並行して行っているため、合宿参加のメンバーの数は絞られている。
今回の合宿参加メンバーには、3月に行われた最終予選トーナメントの陣容が全員選出され、数少ない新顔の一人が司令塔の都野七海だ。これまでのコーリー・ゲインズヘッドコーチの采配を見ると、要所で山本麻衣と田中こころをツーガード起用することもあるため、ポイントガードは3人選ぶと考えるのが妥当だ。都野はフル代表でのFIBA国際大会デビューに着実に近づいている。
都野は5月に行われたラトビアとの強化試合のゲーム1で10アシスト9リバウンド2スティール、ゲーム2も6アシスト2スティールと確かな爪痕を残した。選考レースを生き残っていることに「試合を評価してもらえたことはすごくうれしいです」と喜びつつも、「やっぱりガードのポジション争いはすごく厳しい戦いになると思うので、負けないように自分らしさを出していかないといけないです」と気を引き締めている。
そして、都野の大切にする自分らしさとは次の部分だ。「まずオフェンスの面では、点も取れるし周りも生かせるバランスの良さが自分の特徴なので、そこをしっかりやり切る。ディフェンスでは、ラトビア戦のリバウンドのように基本を徹底してやっていこうと思います」
本人も意識するリバウンドだが、都野は身長159cmと今回の合宿参加メンバーの中で最も小さい。だが、Wリーグでも今シーズンは平均4.8リバウンドを記録したように、持ち前の嗅覚の鋭さでリバウンドを取っている。攻守の素早い切り替えで走り勝つバスケットボールを志向している女子日本代表において、ポイントガードがリバウンドを奪ってそのままボールプッシュを行うことはオフェンスを加速させる大事な要素。都野の大きなアピールポイントにもなる。
さらに都野の代名詞と言えるのが、高いアーチを描くことで高さの不利を無効化するフローターシュート。ペイントタッチを重要視する女子日本代表において、このフローターがあることで都野は小柄でありながらドライブから得点ができ、それによって相手を引きつけて効果的なキックアウトのパスが出せる。
このフローターが、Wリーグに比べてより高さとリーチのある世界を相手にどこまで通用するのかは、都野の代表での生命線の一つとなる。4月のアメリカ遠征で対戦したWNBAチームとのプレシーズン2試合やラトビア戦を経て「世界を相手にした試合で、めちゃくちゃフローターを打っているわけではないです。ただ、結構、自分のタイミングでは打てているので、通用するのかなとは思っています」と手応えを語る。
都野は山本や田中のように、自らどんどんシュートを打っていくタイプではない。しかし、「ペイントタッチなどでガードが起点にならないといけないので、周りが無理だったら自分が行くというのは意識しています」と語るように、積極的な仕掛けから他の選手をオフェンスにうまく絡めていける。フローターに非凡なリバウンド力、都野にしかない唯一無二の持ち味で本大会のメンバー入りを目指していく。
