
JBAが放つ3本の矢の一つ
6月16日から18日にかけて3x3スペシャライズドチーム『Team TOKYO 2026』の合宿が味の素ナショナルトレーニングセンターEAST(東京都北区)で行われた。
Team TOKYO 2026とはBリーグの6選手がオフシーズンを利用して3x3に取り組み、FIBAが主催する『マスターズ』『チャレンジャー』と呼ばれるプロサーキット大会に参戦して『ロサンゼルス2028オリンピック』への出場を目指すチームである。今回の合宿では小川麻斗、長谷川比源、江原信太朗、大学生のバラダランタホリ玲依が参加した。
この背景には、オリンピック出場条件がロサンゼルス大会から大幅に変更されたことが要因となっている。出場枠は8枠から12枠に増加。各国や地域が保持する国際大会のポイントを合計したランキングの対象期間が12カ月から24カ月に延長され、そのポイントは国内トップ20選手が獲得したポイントが対象となる。また、獲得したポイントの上位9大会のみがポイントの対象となるため、高ポイントが獲得できる大会へ出場して入賞することが求められている。
『マスターズ』はイベントレベル最高位で、優勝チームには1人あたり6万4800ポイントが加算され、『チャレンジャー』はこれに次ぐ大会で3万6000ポイントとなっている。現在、日本が所属するアジアパシフィックエリアでトップランカーとなっている中国は604万1871ポイント、日本はモンゴル(521万9516ポイント)に次ぐ、3位の277万4746ポイントと大きく差をつけられている(6月18日現在)。ポイントでのオリンピックにストレートインできるのはアジアパシフィックでは2枠となっており、Team TOKYO 2026はこの差を埋めるための役割も担っている。
だがTeam TOKYO 2026の大きな狙いは、「2028年に行われるオリンピック予選(OQT)に出場する選手を輩出すること」だと、中祖嘉人ヘッドコーチは言う。現在のポイント獲得数を見てもストレートインできる可能性は低く、OQTで勝ち上がって出場権を獲得していくことが既定路線と考えられる。世界と戦う中で課題の一つとなっているのが「リバウンドやインサイドのディフェンスでのフィジカル面」であると中祖ヘッドコーチは語り、こう続ける。
「海外のフィジカルを埋められるような日本人選手がどこにいるのか探した時に、やっぱりBリーグにその素材が多いです。3x3の戦術も世界的にかなり進歩してきているので、今までのようにパッと来て戦えるかと言ったら、なかなか難しい状態となっています。2年スパンで発掘と育成をして、戦えるような人材はBリーグに多いので、その部分で期待しています」
『3x3アジアカップ2026』に出場した男子日本代表は2024年の前回大会での準々決勝敗退より成績を上げ、ベスト4で大会を終えたが、高さやフィジカル面での課題は残ったままだ。それでも、3x3を主戦場として戦うメンバーに、Team TOKYO 2026で3人制の経験を積んだ選手を融合させることで、これらの課題を解決し、より高みを目指していく。
「初日は3x3に慣れていないのがプレーに出ていて『大丈夫かな?』と思いました」と中祖ヘッドコーチは語ったが、Bリーガーのポテンシャルの高さは武器になると考えている。「小川や江原のシュート力や、長谷川の高さでのアドバンテージが見えたので、熟練すれば3x3でも通用するポテンシャルは感じました。まだ3日間しかやっていないので、これからどこまでやりきれるか楽しみですね」
この合宿を終えてTeam TOKYO 2026は、同月20日からシンガポールで行われる『FIBA 3x3 Lion City Chalenger』に参戦する。「3x3特有のリズムに慣れていなくて、無駄な動きが多くすぐに疲労したりする場面が懸念点としてありますが、やることを少なくして自分たちの得意なことをシンプルに積み上げていくことを目指します」。トライ&エラーを続ける覚悟はできている。ロサンゼルスオリンピック出場を目指す彼らの戦いはまさに始まったばかりだ。