ルディ・ゴベア

「ケガのリスクはあるけど、ケガをしても後悔しない」

NBAで活躍する多くのアメリカ出身、カナダ出身選手がワールドカップ出場を辞退した中、2年連続最優秀守備選手賞に輝いたジャズのルディ・ゴベアは、フランス代表としてワールドカップに出場する。

長く、険しいNBAシーズン前に6週間も国際大会でプレーするのは、肉体的にも、精神的にも厳しいもの。ゴベアは、スター選手の出場辞退を尊重しつつ、『NY Times』に持論を語った。

「僕の考えは異なる。自分は国を代表して出場して、NBAとは違う瞬間を体験したい。ただ、みんなそれぞれ考えが異なるから、尊重しないといけない」

アメリカのスーパースターが出場を回避した中、昨シーズンのMVPを受賞したギリシャのエース、ヤニス・アデトクンボは「NBAのシーズンMVPとワールドカップのタイトルを交換しても構わない」と、ワールドカップに向けた強い意気込みを表した。

名誉も大事だが、金銭面も大事。代表でのプレーとは違い、NBAでの活躍は次の大きな契約にかかわる。アデトクンボもゴベアも、来年のオフに所属チームとスーパーマックス契約を結ぶ資格を保持している。代表活動で大ケガを負ったらマイナスは計り知れないし、ワールドカップで無理をすることがNBAのシーズンに悪影響を及ぼすことも考えられる。大きな契約を前にしている状況であれば、他のスター選手たちと同様に出場を辞退しても不思議ではない。

だが、母国にメダルをもたらすという決意を胸に戦うアデトクンボと同様に、ゴベアも熱い気持ちを持って今大会に臨もうとしている。

「母国に誇りを持っている。代表でプレーして得られる感動がお金より価値があるとは言わないよ。僕にだってお金は必要だ。でも、自分たちが築き上げられるものや、プライドの方がお金よりも重要だと思っている。ケガのリスクはあるけど、ケガをしても僕は後悔しない」

「目標は優勝だ。強豪が多いのは分かっているけれど、自分たちにもチャンスがある」

フランスはグループリーグでドミニカ、ドイツ、ヨルダンと対戦する。優勝を目指す以上、どこかで世界最強国のアメリカと当たり、倒さなければいけない。フランスとアメリカが対戦するとなれば、それはジャズでのチームメート、ドノバン・ミッチェルに対してゴベアがディフェンスする、というシーンが見られそうだ。ゴベアは仲間にこう助言した。

「パスするか、相当高くまでフローターを放るべきだね(笑)」