2008年以来のプレーオフでのホームゲーム勝利に歓喜

東カンファレンス1位でNBAプレーオフに進んだピストンズは、マジックとのファーストラウンド初戦で完敗を喫した。レギュラーシーズンとプレーオフは全くの別物で、一発勝負のプレーインを勝ち抜いたマジックの勢いばかりが目立つ試合となった。

それでも現地4月22日の第2戦では、ピストンズが本領を発揮。もともとピストンズも、荒っぽいほどに強度の高いハードなディフェンスが持ち味のチームであり、両チームともにディフェンスとフィジカルな削り合いが目立つロースコアの試合展開で、マジックの強度に負けるどころか押し返した。

同点で迎えた第3クォーターには、開始からの約8分間で30-3のラン。ゴール下を固める相手守備のギャップを突くトバイアス・ハリスのミドルジャンパーを皮切りに、ケイド・カニングハムからジェイレン・デューレンに繋ぐ息の合った連携、スティールから走ったカニングハムがバスケット・カウントをもぎ取り、一気に流れを引き寄せる。

プレッシャーを掛けてもボールを失う気配のないカニングハムに対し、マジックの守備は裏を取られるリスクを恐れるようになり、それでディフェンスの圧が落ちるとピストンズの勢いはさらに増した。さらにカニングハムは速攻に走るかじっくり組み立てるかの判断も的確で、ほとんどのポゼッションで攻めの起点となり試合を支配した。

後半開始時点で46-46だった試合は、76-49とピストンズの大量リードに。もともとロースコアの展開だっただけに、このランが決定打となり、ピストンズが98-83で勝利している。

ピストンズを率いるJ.B.ビッカースタッフは、初戦で敗れたこと、第2戦も前半は接戦だったことを「全く気にしなかった。マジックはシーズンを通して健康であれば、第8シードになるようなチームじゃない。プレーオフで簡単な試合などあり得ない」と語る。

ケイド・カニングハムは27得点6リバウンド11アシストのダブル・ダブルを記録。トバイアス・ハリスも16得点11リバウンドでダブル・ダブルを記録した。30-3のランの起点となったハリスは「前半は自分たちの基準に達していなかったし、だから守備にエネルギーを注ぎ込んで試合を動かそうとした」と語る。

第3クォーターのランを呼んだハーフタイムのミーティングについて、ビッカースタッフは「落ち着いてやるべきことを確認した」と語ったが、ハリスは「かなり厳しく喝を入れられたよ。オフェンスリバウンドを簡単に奪われることに激怒していて、『ごめん、今のは僕のミスだ』という言葉はもういらないと、と強い口調で言われた」と明かす。

そしてハリスはこう続ける。「それが火種になった。もっと良いプレーをしなければいけないのは僕たちも分かっていたからね。前半に苦しめられたオフェンスリバウンドにどう対応するか話し合った。自分たちの基準を取り戻すべくエネルギーを出し、スティールから速い展開に持ち込むことでリズムをつかんだ。観客も味方に付けて、心からプレーを楽しめた時間帯だった」

ハリスの言う「観客を味方に付ける」には特別な意味がある。ピストンズは2004-05シーズンにNBA優勝を果たし、その後も3年連続でカンファレンスファイナルに進んだが、そのチームが解体された後は低迷期に入り、プレーオフに進出しても勝てない時期が続いた。昨シーズンはニックスとのファーストラウンドで久々の勝利を挙げたが、ホームでの3試合は全敗に終わっていた。

プレーオフのホームゲームにおける勝利は2007-08シーズン以来のこと。カニングハムは「今年のプレーオフの快進撃における多くの勝利の一つになるだろうけど」と前置きしてこう続けた。「ホームで長年勝てていないという重荷を降ろすことができて良かった。シーズンを通して熱心に応援してくれるファンに勝利を届けられてうれしい。まだ先は長いし、もっともっと勝っていくつもりだ」