岸本隆一

9回連続のCS出場を決める「やっぱりここがスタートライン」

422日、琉球ゴールデンキングスはアウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦し80-71で勝利。Bリーグ初年度から皆勤賞となる9回連続のチャンピオンシップ出場を決めた。

琉球はジャック・クーリー、アレックス・カークの両ビッグマンで合計39得点、15のオフェンスリバウンドを記録。さらにバックコート陣も積極的にペイントタッチを仕掛けることでゴール下の争いを制し、序盤から主導権を握る。以降も試合の大半で2ポゼッション以上のリードを保つ危なげない試合運びで逃げ切った。

琉球の大黒柱、岸本隆一はCSに向けての思いを次のように語る。「個人的にはやっぱりここがスタートラインだと思っています。今はそこに立てることに安心した気持ちですし、昨シーズンはケガでCSを戦えなかったことで、いつも以上にフレッシュな気持ちで臨めるかなというところです」

岸本は昨シーズン終盤の419日に左第5中足骨骨折を負い、無念の戦線離脱。チャンピオンシップではベンチで味方の戦いを見守ることしかできず、宇都宮ブレックスに敗れたファイナル終了後にはこう語っていた

本当になんとも言えない気持ちです。プレーできなかったことに対しても何もスッキリしていない。この思いを何かしらの形で今後、自分の力に変えたいです。正直、今の状況を美談にするつもりはまったくないです」

リベンジの舞台を前に、当時の思いを改めて振り返ってもらうと岸本はこう言った。「昨シーズン、そういう言葉を使ったのは個人的な気持ちに関してで、チームが勝ち上がっていく過程は本当に素晴らしいものでした。ケガをしてたくさんの人にポシティブな声をかけていただきましたが、それでもやっぱり自分の中で消化しきれない思いはもちろん今でもあります」

岸本隆一

新しいマインドセットで戦うことに挑戦

今シーズンの琉球は、シーズン序盤に中心選手のケヴェ・アルマが個人的な事情からチームを去る激震に見舞われる。さらに故障者の影響もあり、なかなか安定したパフォーマンスを見せることができなかった。シーズン後半に入っても僅差とはいえチャンピオンシップ圏外で、4年連続ファイナル進出中の常勝軍団としてはここ数年で最も苦しい戦いを強いられたが、3月末からは8連勝するなどしっかりと調子を上げてきている。

桶谷大ヘッドコーチは、チームが苦境を乗り越えられた理由をこう語る。

「いろいろと状況が変わる中で、現場では『(勝ち続けることは)そんなに簡単じゃないよね』ととらえていました。だからこそ、『今は自分たちにはCSに行ける力がない』と認識した上で、みんなが成長しようと頑張ってきたシーズンだと思います。現状を受け入れることなく、ずっと『俺たちは強い』と思ってやっていたら成長せず、CSに出られなかったと思います」

岸本は、思うように勝ち星が伸びなかった時期を「チームとしてうまくいかない時期は、個人的にまだ実力が足りないと素直に受け入れていたつもりです。ただ、たくさんの方に本当に期待してもらっている中で、そこに応えられなかったことへのもどかしさはありました」と振り返り、次のような気持ちで難局に立ち向かってきたと続ける。

「キングスはやっぱり勝たないといけないチームだと思っています。その中で決して強くない現状を受け入れることと、その現状に甘んじてしまうのは紙一重なところがあると思っています。その意味で受け入れたくない空気感もあったと思いますが、個人的には思うようにいかない状況を受け入れ、新しいマインドセットで戦うことに挑戦してきたつもりです」

現行のリーグフォーマットでプレーするラスト、プレーできなかった1年前のリベンジなど、いろいろな思いを持ってCSに臨むことになるだろう岸本に、改めてチャンピオンシップへの意気込みを聞いた。岸本は「Bリーグでプレーしている以上、CSという舞台で結果を出すことがすべてだと思っています」と強い覚悟を口にした。

「いつも通りに行きたいという願いもありながら、やっぱりいつもと違った気持ちでCSを迎えるかなと思います。昨シーズンがケガで終わってしまったこともあって、今シーズンは一試合一試合をすごく尊いものという気持ちで戦ってきた側面もあります。ここまでの戦いを一つの過程として受け入れ、CSを戦えたらいいかなという気持ちです

まずはレギュラーシーズン残り4試合をケガなく乗り切り、岸本には万全のコンディションでチャンピオンシップのコートに立ってもらいたい。シーズンクライマックスの痺れる舞台になると、より輝きを増す岸本の勝負強さが再び発揮されるのが楽しみだ。