スクート・ヘンダーソン

スパーズは脳震盪でビクター・ウェンバニャマを失う

プレーオフ初戦でスパーズに完敗を喫したトレイルブレイザーズが、現地4月21日の第2戦で見事なリベンジを果たした。クラッチタイムの攻防を制して106-103と競り勝ったのだ。

第2クォーターの序盤に、ビクター・ウェンバニャマにアクシデントがなければ、試合は違った展開になっていただろう。トップ・オブ・ザ・キーからドライブを仕掛けた彼は、スピンムーブでマークをかわそうとした際にバランスを崩し、顔面をフロアに強打した。脳震盪プロトコルに入って試合に戻れなくなった彼を欠いてもスパーズは優位を保ち、第4クォーター序盤には14-0のランで最大14点リードを築いたのだが、その後にブレイザーズの猛烈な巻き返しを浴びた。

ブレイザーズのオフェンスを牽引したのはスクート・ヘンダーソンだった。2023年のNBAドラフト1巡目3位指名の彼は、同期のウェンバニャマの影に隠れ、今シーズンは出場30試合のみで、シーズンの半分以上をハムストリングのケガで浪費した。それでもこの試合で3ポイントシュート5本成功を含む31得点を記録。試合序盤は思い切り良く放つ3ポイントシュートを次々と決め、相手が対応するとギャップを突いてのミドルレンジジャンパー、ゴール下までアタックしてのシュートと、多彩な得点能力を見せた。

「目の前に立つ相手をやっつける、そのメンタリティは第1戦と変わらなかった。でも、より速いテンポで仕掛け、オープンなら迷わず打つ意識は持つようにした。僕がそういう姿勢でプレーすれば、デニ(アブディヤ)を助けられると思ったんだ」とヘンダーソンは言う。

昨シーズン途中にアブディヤが、そして今シーズンはドリュー・ホリデーが加わり、ヘンダーソンはチャンスメークの仕事から解放された。それが彼のプレーから迷いを消し、アグレッシブな攻めに繋がっている。

「ボールを持っていてもそうでなくても、責任を背負う立場になるのが僕は好きだ。今の役割はチームに最善だからやっているだけで、勝つこと以外はあまり考えていない。ただ、ボールを持てば積極的にプレーし、何かを起こそうとする。自分らしさを保ちながら、チームの勝利に貢献しようとしているんだ」

エースのアブディヤはヘンダーソンについて「素晴らしい成長を見せている」と称える。「コート外ではいつも謙虚で、すごく熱心に練習に取り組んでいるけど、試合になるとアグレッシブにペイントエリアへと切り込んでいく。今日はディフェンスも含めてビッグプレーの連発で、本当に助けられた」

NBAキャリア3年目のヘンダーソンに対し、6年目のアブディヤは「僕のほうがブレイクまでに時間を要した。スクートの才能は昨シーズンの段階で分かっていたし、今シーズンはケガに苦しんだけど、毎日ハードワークしてきた」と言う。「このリーグでは忍耐が必要だし、同じように謙虚でなければならない。まだ1つ勝っただけだから、謙虚さを忘れてはいけない」

それはヘンダーソンも理解している。「今日の試合では最高のエネルギーを出すことができたけど、もう次の試合に向けて集中している。あと3つ勝たなきゃいけないのは分かっているよ。でも、1勝1敗でポートランドに戻り、リップ・シティの人々の前でプレーできるのは楽しみだ」

スパーズは手痛い一敗を喫し、ウェンバニャマは脳震盪プロトコルが長引けば今後の試合でも彼を欠く可能性がある。ウェンバニャマ不在が痛いのは確かだが、それでも勝たなければいけないホームゲームで、接戦に競り負けたのは事実だ。ディアロン・フォックスは勝負どころで積極性を出せず、チームの遂行力もホリデーが引っ張るブレイザーズが上だった。第1戦から見事に立て直したブレイザーズに負けないぐらい、続く第3戦に向けてチームの立て直しが必要となる。