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ラスト3分、デュラントの3ポイントシュートで大逆転劇

クリーブランドのクイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたNBAファイナル第3戦は、ウォリアーズが第4クォーター残り3分から逆転に成功し、118-113で勝利。ファイナル3連勝で優勝に王手をかけた。

連敗してホームに戻って来たキャバリアーズは、立ち上がりから気合の入ったプレーを披露。過去2試合とは違いシュートタッチが良く、超アップテンポな打ち合いを演じた。特にレブロン・ジェームズの意気込みはすさまじく、第1クォーター途中にトリスタン・トンプソンと衝突して動けなくなるも、すぐにプレーに復帰。直後のプレーで強烈なドライブでケビン・デュラントを振り切って得点するなどチームを牽引した。

それでもウォリアーズもこの試合では外角シュートが大当たり。クレイ・トンプソンがキャッチ&シュートを次々と沈めてリードを奪う。ステフィン・カリーになかなか当たりがこない分を『スプラッシュ・ブラザーズ』の相棒がカバー。デュラントもコンスタントに得点を伸ばし、リードを保った。

カイリー・アービングが覚醒、キャブズが逆転

過去2試合は第3クォーターに大差を付けられたキャブズだが、この試合では違うパフォーマンスを見せる。このシリーズで苦戦が続いていたカイリー・アービングがついに覚醒。キャリアハイライトかと見間違えるほどの鮮やかな得点を連発して試合をひっくり返す。第3クォーターを33-22で取り、94-89と5点のリードで第4クォーターへ。

ウォリアーズは序盤からキャブズにインサイドを攻められ続けた結果、ドレイモンド・グリーン、ザザ・パチューリア、ジャベール・マギーとインサイドの選手にファウルがかさむ苦しい状況で、キャブズの勢いが目立つ展開に。

それでもウォリアーズがじわじわと詰め寄った残り3分、ドライブで切り込んだレブロンから絶妙なキックアウト・パスを受けたJR・スミスが3ポイントシュートを決め、113-107と突き放す。シリーズ3戦目にしての初勝利は目前だった。

しかし、ここから風向きが変わる。ステフィン・カリーとケビン・デュラントの得点で1点差とされ、再びレブロンのキックアウトから今度はカイル・コーバーがオープンで3ポイントシュートを放つも、これがリングに嫌われてしまう。

残り45秒、トランジションから持ち込んだデュラントが、レブロンがチェックに来るより前のタイミングで3ポイントシュートを放つ。これが決まり、土壇場で逆転。キャブズは勝利を確信させたJR・スミスの3ポイントシュートから0-12のランを浴び、痛い痛い逆転負けを喫した。

殊勲のデュラント「練習通りにシュートを打った」

逆転の3ポイントシュートを決めたデュラントは「すべてはディフェンスから」と、勝負の分かれ目となったプレーを振り返った。

「リバウンドを奪って、そこからオフェンスをプッシュできれば、僕たちは脅威になる。終了まで45秒というのも良いタイミングだった。2点差で、もし僕がシュートを外しても、また次のプレーがあったからね。まあ、決まってくれて良かったよ。いつもやっている練習通りにシュートを打った。フォロースルーもしっかりと保持してね。それで結果的にシュートが決まった。それでも、もっと大事だったのは、それから相手のシュートを2本止められたことだ」

プレーオフ無敗の15連勝。優勝まであと1勝に迫った今、前人未到16連勝での完全制覇も現実のものになりつつある。

反対にキャブズは、昨年に続いて圧倒的に不利な状況に追い詰められた。レブロンは試合後「不安はない」と語ったが、カイリー・アービングと合計77得点(レブロンが39得点、アービングが38得点)を記録するなど、会心のゲームをしてなお上回られたのだからショックは大きい。

NBA史上最も偉大な選手の一人という称号を持つレブロンであっても、さすがに一人で『スーパーチーム』を擁するウォリアーズに立ち向かうのは不可能なのだろうか。昨年以上のミラクルを起こすには、今一度、全員の奮起が求められる。