
「試合を重ねるごとに自分らしさを取り戻している」
ジェイレン・ウィリアムズはNBAキャリア3年目の昨シーズン、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーに続く第2のエースとしてサンダーの優勝に貢献した。レギュラーシーズン終盤に左手首の靭帯断裂という大ケガを負うも、プレーオフでは全試合に強行出場。痛み止めの注射を打ちながら片手でプレーし続けた。
オフに入ってすぐに手術を受け、開幕前に2度目の手術を受けたために今シーズンは出遅れ、戦線復帰した後も手首に違和感が残って3ポイントシュートの確率が上がらず苦戦を強いられた。ようやく本調子を取り戻した1月中旬、今度は右足ハムストリングのケガで再び戦線離脱。一度は復帰するもすぐに再発させ、現地3月23日にようやく復帰を果たした。
その時点でレギュラーシーズンは残り3週間。西カンファレンスの首位を快走するチームで、彼は少しずつ試合勘を取り戻している。現地4月2日のレイカーズ戦、西カンファレンスの上位対決に139-96と圧勝した試合でも、ウィリアムズは攻守にアグレッシブなプレーを披露した。
サンダーを率いるマーク・ダグノートは、ウィリアムズの『躍動感』をこう称えた。「スキルや成長ぶりが目立つから見落とされがちだが、彼の最大の強みは闘争心と運動量だ。昨シーズンのプレーオフでも、手首の靭帯を断裂しているのに闘争心と運動量は100%のままだった。いつもハードワークするが、今日の試合は特に躍動感に満ちていた」
手首のケガは完全に克服した。ハムストリングは再発のリスクを避けるために、状態を確認しながらのプレーとなっているが、「再発の不安なしに、全力でプレーできるかどうかの確認」という段階で、試合を重ねるごとに調子は上がっていると彼は言う。
復帰当初の彼は、シェイに次ぐスター選手であるにもかかわらず「好調な他の選手の邪魔をするわけにはいかない」という思いで本来の積極性をなかなか出せなかったという。それでも「思い通りにプレーできない時期がほとんどで不本意なシーズンになっているけど、試合を重ねるごとに自分らしさを取り戻して、プレーオフへの準備が進むことに興奮を抑えきれない」と語る。
10/10 shot
10/10 celly 👏 pic.twitter.com/2OUO5OQKFA— OKC THUNDER (@okcthunder) April 3, 2026
ケガの不安よりもコートを駆け抜ける喜びが上回っている。それが指揮官ダグノートの言う『躍動感』に繋がっている。「欠場続きだったから足が軽いんだ」とウィリアムズは笑顔で語った。「このまま行けば完璧な状態でプレーオフを迎えられる。それに、僕はキャリアを通じて常に全力でプレーしてきた。それはドラフトされた時にサム・プレスティGMから『そのエネルギーが他との違いを生み出す』と言われたからで、その言葉はずっと頭の中にある」
サンダーは絶好調のレイカーズは全く相手にせず、強力なプレッシャーディフェンスで攻め手を封じ、そこからブレイクに持ち込んで圧倒する展開を作り出した。どこが相手でも圧勝するサンダーの超越した強さを「つまらない」という者もいる。それに対してウィリアムズは「僕たちの試合を見て退屈だと感じる人がいても、全く気にしない。それは僕だけじゃなくチームの総意だ」と答えた。
「僕らはどの試合でも必死に勝ちに行く。NBAではどこが相手でも、全力で挑まなければ負けてしまう。だから誰に何と言われようと、どの試合でも僕らは最高のバージョンの自分たちであろうとする。そうやって戦いながらプレーオフに向かって細部まで磨き上げるんだ」
長いケガを乗り越えて攻守に躍動感を見せる今のウィリアムズは、プレーする喜びに満ちている。その発言はすべてが前向きだったが、ただ一つ、このレイカーズ戦でケガをしたルカ・ドンチッチに話題が及ぶと、目を伏せて「本当に気の毒に思う。自分がマークしている選手がケガをするのを見ると辛い気持ちになる。ケガの辛さは分かっているから、軽傷であることを願っているよ」と語った。
ドンチッチはウィリアムズをスピンムーブでかわし、リングへとスピードを上げる瞬間に肉離れを起こした。接触があったわけではないが、他人事ではいられなかった。
「僕も調子が上がってきたところでケガをしたのが一番辛かった。キャリアを通じてケガの少なかった僕にとっては、多くのことを学ぶ機会になった。今は身体のケアや回復の方法を学び、ケガに強い身体作りにすごく取り組むようになった。幸いにもチームの良い流れに乗ることができた。本来の感覚を取り戻すまで、あと少しのところまで来ているよ」