
「『これから自分に何ができるか?』を楽しみにしていた」
3月4日、群馬クレインサンダーズはメディア向けの公開練習と記者会見を実施した。群馬はここまでの39試合を終えて、24勝15敗で東地区5位。チャンピオンシップ出場圏内まで2ゲーム差に位置しているが、開幕前に思い描いていた順位ではない。
群馬のカイル・ミリングヘッドコーチが「たくさんのケガ人がいて、試合前日にラインナップが変わるなどの苦労もありました」と話した通り、シーズンを通じてフルロスターが揃わない状況が続いたことが、勝率を伸ばせていない一つの要因である。
特にエースのトレイ・ジョーンズが22試合、現役ドイツ代表のヨハネス・ティーマンが17試合と、チームの核となる選手の離脱が続いたのは痛手となった。しかし、ミリングヘッドコーチは、主力を欠く戦いが続いたからこそ、チーム力が高まったと続ける。
「ラインナップや戦術の急な変更が必要でしたが、選手たちが素早く対応してくれたおかげで、現状いろんなことができるようになりました。その力をこの後の21試合でも発揮して、相手の脅威になれば良いと考えています」
ジョーンズとティーマンとともにケガに苦しめられたのが、所属3シーズン目となるコー・フリッピンだ。群馬に来てから昨シーズンまでの2年間で一度も欠場はなかったが、今シーズンは15試合の出場に留まっている。開幕から5試合をプレーしたものの、右足首を負傷して離脱。12月に復帰し2試合に出場したが、今度は左足関節外側側副靱帯損傷と大ケガを負い長期離脱を余儀なくされた。その後、1月末に復帰して、2月に入ってから徐々に出場時間を伸ばしている。
「キャリアの中で一番長い離脱期間だったので苦しい時間でしたが、ネガティブには考えませんでした」とフリッピンが話す通り、より強くなって帰ってこようと、この時間を無駄にしないようにしていた。
「身体をより強くして、自分にできることを伸ばすことができました。これまでのキャリアで経験したことがないチャレンジだったので努力しました。『これから自分に何ができるか?』を楽しみにしていたので、前向きな姿勢で臨むことができました」

「本来の自分のプレーを取り戻せることをとても楽しみにしています」
試合に出られないのは苦しかったが、ポジティブに自分にできることにフォーカスした。そう切り替えられたのも、大ケガから復帰した経験のある選手たちのおかげだったと続ける。
「もっと重いケガから復帰している選手たちを見て、『大丈夫、きっと乗り越えられる』と思えました。その姿勢を本当に尊敬しています。自分のケガは彼らほど深刻ではないと思えたのが前向きになれたきっかけでした」
個人としては出遅れたが、まだ21試合を残している。フリッピンはチームのためにもコンディションを整えることを意識している。「大事なのは、とにかくチームのために出場可能な状態でいることです。チームが自分を必要としてくれた場面がありましたが、力になれませんでした。だからこそ健康な状態を保ち、チームを助けられる存在でありたいです」
「自分の強みを試合で発揮したいです。テンポよく、アグレッシブにプレーすることが自分の持ち味。とにかく積極性を前面に出していきます」という通り、復帰後はドライブからのシュートでチームに勢いをもたらす場面もあった。
特にチームの得点源である3ポイントシュートが滞る時間帯は、フリッピンのドライブが変化をつける上で効果的だった。今後はよりチームの力になれると確信している。「ケガのせいで力が入らず、自分の足に自信が持てませんでした。でも今は戻ってきています。本来の自分のプレーを取り戻せることをとても楽しみにしています」
シーズンを通じて揃わなかったロスターが、残り21試合でやっと揃った。チームとしても士気は高い。終盤戦に向けて、フリッピンは前を向く。
「チームの目標は開幕前から優勝で変わりません。そのために全員が同じ方向を向いています。でも、まずはチャンピオンシップに進出することに集中します。みんなが健康でエネルギーに満ちた状態でチャンピオンシップのコートに立てるかが重要です」