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先発に固定されたこの2シーズン、エースとして活躍

今年のプレーオフで注目を集めたアイザイア・トーマスのキャリアは、サンズからセルティックスにトレードされた2015年を機に一変した。

175cmという身長からセカンドユニットの壁を破れなかった過去と決別、セルティックスに移籍してからは先発に固定され、シーズンごとに平均得点を上げていく。エースとして臨んだ今シーズンはリーグ3位の28.9得点を記録。東カンファレンス1回戦が開幕する前日には、交通事故で妹を亡くす悲劇に直面しながらも鎮魂のためにプレーを続け、カンファレンス決勝までチームを導いた。

そのトーマスは、来シーズン終了後に現在の契約を満了する。この2年での実績を考えれば次の契約は大型契約になるだろうが、本人は今夏に大型補強を実行しようとしているチームのため、トップクラスのフリーエージェント選手を獲得してから契約交渉する形で構わないとまで語る。

『セルティックス愛』に溢れるトーマスは、キャバリアーズに敗れた翌日、今シーズン最後のメディア対応の場でセルティックスとの再契約を希望した。

トーマスは「ボストンが自分の人生、キャリアを変えてくれた。もちろんこれからもプレーしたい。ここで優勝したい。ボストンのメディアも最高の人たちが多いしね」と語る。

だがその一方で、自身がトレードされる『未来』についても理解し、次のように続けた。「NBAのビジネスは理解している。誰にも、何が起こるかなんて分からない。でも、僕自身はここでプレーすることを望んでいるよ」

どれだけの高額契約になろうとも、NBAトップクラスのスコアラーでありハードワークを厭わない選手を手放すのは愚策だ。また、フランチャイズプレーヤーを放出すれば、アメリカ国内でも熱狂的と言われるボストンのファンが黙っていないだろう。

今年のオフに『キャブズ一強』に対抗し得る戦力を獲得できた時、セルティックスの構想にトーマスは含まれているのだろうか。