「本番は東京体育館だと思うので、次が楽しみです」

6年ぶりのウインターカップ出場を果たした東海大学付属相模は、東北学院との初戦を95-86で制した。

鍛え上げたフィジカルを生かしたパワフルな攻守が東海大学附属相模の持ち味。サイズはなくても当たり負けない身体を生かしてペイントエリアを制し、身長188cmのジェイコブス・オベッド大が24リバウンド、185cmの平川恭佑が12リバウンドを記録。リバウンドの総数で59-39と東北学院を大きく上回った。

力強いディフェンスとリバウンドというベースがありつつ、このチームは高島舜弥という強烈な個性も持ち合わせている。横浜ビー・コルセアーズU15出身の高島は非凡なシュート力を持ち、キャッチ&シュートだけでなく自らのクリエイトからも得点を量産できる。この試合では40分間フル出場して27得点を記録した。

試合開始から積極的にシュートを狙っていく高島は、決めれば決めるほどにリズムをつかみ、積極性を増していく。第1クォーターだけで10得点を挙げた後、東北学院は高島がコートのどこにいても貼り付くフェイスガードを付けた。しつこくまとわりつき、タフなコンタクトをしてくるディフェンスに高島はフラストレーションも見せたが、その相手より高い打点から放つジャンプシュートを沈めることで、相手の策を無力化させる。

シュートの確率自体は必ずしも高くなかったが、高島は自信を持ってシュートを打ち続けたし、シュートがリムに嫌われればチームメートがリバウンドに飛び付いた。こうして東北学院は守勢に回らざるを得ず、東海大学付属相模のペースに付き合うことになった。

試合後の高島はこう語る。「自信を持ってシュートを打てたのは良かったですが、突き放すべき時に自分のシュートが外れてしまったところは、まだまだエースの自覚、覚悟が足りないと感じました」

相手のマークは厳しいが「それはずっと分かっていること」と高島は言い「原田(政和)コーチからは『お前には引力がある』と言ってもらっていて、それを強みに変えられるように意識しています」と続ける。

どれだけ警戒されてもシュートを打つ積極性を失わず、なおかつパスで味方を生かすクレバーなプレーも磨くことが、高島が自分に課す課題だ。

3年生にして初めて立ったウインターカップのコート。「ウインターカップにはやはり独特な感覚があって、相手の気迫も観客の雰囲気も違うと感じました。それでペースを乱してミスするのではなく、力に変えられるような選手になりたいです」と高島は言い、笑顔でこう続けた。「本番は東京体育館だと思うので、次が楽しみです」