「練習で追い詰められる方が辛いので、こっちの方が楽です(笑)」

ウインターカップ2回戦で札幌山の手が岐阜女子と対戦した。

岐阜女子はインターハイベスト4、U18日清食品トップリーグでも2位と格上の存在で、追いかける展開が続いた。それでも、ゲームハイの26得点を記録した高橋優希を軸に、7人が5得点以上を挙げるバランスアタックで食らいつくと、最終クォーターのファーストオフェンスでついに逆転。そこから、僅差の攻防が続いたが、高橋が「ディフェンスが課題だったんですけど、この試合は全員ですごく動けていたので、そこで勝てたと思います」と語ったように、ラスト約5分半の失点を5に抑えたことで、83-74で勝利した。

高橋は初戦の日本航空(山梨)戦でも、決勝点を含む33得点を挙げて、1点差の勝利をもたらす立役者となった。シュートタッチは決して良くはなかったが、この試合でも積極的に仕掛けて得点を量産した。「ファウルをもらうことができて、フリースローを獲得(12本中11本成功)することができたので得点が伸びました」

第2クォーターには最大11点のビハインドを背負い、第3クォーターにも9点差に離される場面があった。追いかける展開が長かっただけに、「ずっと負けているような気持ちでやっていました」と振り返る高橋だが、「最初から最後までずっと粘ることができて、全員で良い試合ができました」と笑顔を見せた。

高橋が言うように、チームは驚異的な粘りを見せたが、その根源は「悔しさ」にあるという。「インターハイに出られなかった分、最後の大会にかける思いは誰よりも強いかなって思います。チームで守ろうということを、あの夏から改善してきたので。全員で声を出して、全員でハツラツとやること、それがしっかり試合で出ました」

そして、普段の練習量がこの粘り強さを生んだとも強調した。「練習の時から上島さん(上島正光コーチ)に追い詰められてはいるので。試合で追い詰められた展開より、上島さんに練習で追い詰められる方が自分は辛いので、こっちの方が楽です(笑)。自分たちの良いバスケットをしようと話をしたので、相手に関係なく自分たちのやることができたと思います」

2試合続けて劇的な逆転勝利を収めた札幌山の手は明日、延長の末に奈良文化を72-69で下した一関学院と戦う。