デアンドレ・ジョーダンも含め一挙3人のスター選手を獲得
ネッツが突如として優勝候補に躍り出た。フリーエージェント選手との契約が解禁となった現地6月30日の夜、ネッツがケビン・デュラントとカイリー・アービングと契約を結ぶと複数のメディアが伝えている。デュラントには4年1億6400万ドル(約180億円)、カイリーには4年1億4000万ドル(約150億円)の契約で合意に至ったとのこと。
セルティックスを離れるのが既定路線だったアービングはともかく、デュラントの獲得が決まったのは驚きだ。ウォリアーズが高額のラグジュアリータックスを支払ってでもマックス契約を提示して引き止めると見られていた。デュラントとしても自分に興味があるチームの話をすべて聞いて、オファーを比較検討した上で決断すると予想されていたため、このタイミングで決まったのも驚きだった。
デュラントは右足のアキレス腱断裂により、来シーズンは全休の見込み。それでもNBA屈指の得点能力の持ち主であることに変わりはなく、今夏のフリーエージェント選手の目玉だった。カイリーも同等の存在で、その2人を同時に獲得したことはネッツにとって極めて大きな成果だ。
ネッツは2002年と2003年にジェイソン・キッドを軸とするチームでNBAファイナルに進出しているが、レイカーズとスパーズに敗れた。キッド退団後は長い低迷期に入り、ブルックリンに本拠地を移した後も成績は上がらなかった。それでも2018-19シーズンにはディアンジェロ・ラッセルを中心に伸び盛りの若手を抜擢し、攻守に緻密な戦術を遂行することで久々の勝率5割超え、そしてプレーオフ進出を果たしている。いわばスター選手不在で勝てる路線を、長い試行錯誤の末にようやく見いだしていたのだが、アービングとデュラントの獲得はそこからの方針転換を意味する。
ネッツはさらにデアンドレ・ジョーダンとも契約を結ぶとの報道も出ている。オールスタークラスを一挙に3人獲得するネッツは、これまでとは全く違うチームに生まれ変わる。デュラントの復帰をまずは待つ必要があるものの、一夜にして優勝候補に躍り出る『アメリカン・ドリーム』が実現した。