
SKの5選手に2桁得点を許してしまう
12月17日に『東アジアスーパーリーグ(EASL)』の第3戦が行われ、宇都宮ブレックスは韓国のソウルSKナイツと敵地で対戦。SKに序盤から高い強度でプレーをされてしまい78-84で敗戦し、グループステージの戦績は1勝2敗の3位に留まった。
宇都宮はジーコ・コロネルヘッドコーチが体調不良で今回の遠征に帯同せず、試合の指揮は田中誠人アシスタントコーチに委ねられた。先発は比江島慎、高島紳司、D.J・ニュービル、帰化枠のギャビン・エドワーズ、アイザック・フォトゥとこれまでと同様のメンバーでスタートした。対するSKは韓国代表で昨シーズンの国内リーグMVPのアン・ヨンジュンが復帰してスターティングラインナップに名を連ねた。
前回の対戦でウィークポイントと思われたSKのディフェンスの強度が、この試合では開始直後から高く、宇都宮の攻撃の核を担っている比江島とニュービルに対してハイプレッシャーを展開。思うようなオフェンスが構築できない宇都宮はリズムをつかめず、シュート精度も上がってこない。対するSKにオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを幾度となく許してしまい、ジャミール・ウォーニーとダリル・モンローの外国籍ビッグマンに得点を重ねられ16-21とビハインドを背負って第1クォーターを終了する。
第2クォーターに入っても宇都宮のリバウンドへの意識はなかなか上がらず、SKのモンローを中心にオフェンスリバウンドを取られてしまう。そこにエディ・ダニエルという18歳の新星にディフェンスの強度をさらに上げられる活躍をされ、残り5分を切ったところで22-32と10点差に広げられてしまう。宇都宮も星川開聖が連続3ポイントシュートを決めて食い下がるが、チームファウルがかさんでしまい相手にフリースローを献上してしまう苦しい展開。宇都宮はニュービルがコントロールしていくが、オフェンスが上手く機能しないとオープンショットも決められず30-46とリードを広げられて前半を終了する。

田中Aコーチ「フィジカルで負けず相手よりもクイックに」
ハーフタイムのコーチインタビューで田中アシスタントコーチは前半を振り返り「相手の高いフィジカルに負けている。後半はフィジカルで負けず相手よりもクイックにプレーする必要がある」と語った。そのコメントの通り、後半の立ち上がりからトランジションオフェンスを仕掛けて得点すると、直後にハイプレッシャーからターンオーバーを誘い一気に9-0のランに成功する。その後も、SKのアウトオブバウンズで5秒バイオレーションを取るなど流れを傾かせ、残り3分で7点差まで詰め寄る。しかし、宇都宮はヨンジュンに1オン1からタフショットを決められるとシュートタッチをつかんだヨンジュンに、その残りの3分間で9得点を許して再び得点差を50-64と広げられて最終クォーターを迎える。
第4クォーターに入ってもSKの勢いを止められず開始2分で52-73と21点差をつけられてしまい、宇都宮はたまらずにタイムアウトを請求する。田中アシスタントコーチが「諦めてはいけない」と叱咤するが、宇都宮が得点を決めてもSKに決め返される展開が続いてしまう。中盤に入るとウォーニーの時間をかけた試合巧者なオフェンスに手を焼くが、このままでは終われない宇都宮は、ニュービルとフォトゥを中心とした猛攻を仕掛け、残り40秒で5点差まで詰め寄る。直後のSKのポゼッションで若いダニエルが体勢を崩してボールを失いそうになるが、ウォーニーに託されたボールはショットクロックと同時にリングを射抜き、この3ポイントシュートが決定打となって宇都宮の敗戦となった。
宇都宮は試合の出鼻をくじかれるSKのフィジカルなディフェンスに対応が後手となってしまった。そしてこの試合をプレーしたSKのプレーヤー8人のうち5人に2桁得点を許してしまったことで、オフェンスのリズムをつかませてしまったことは敗因の一つと言えるだろう。
宇都宮の次戦は、1月21日の19時から、現時点で2連敗とグループ最下位に沈む、香港イースタンをホームで迎えての一戦が待ち構えている。